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月の輪草子

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062166584
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

晩年の清少納言が、かつて中宮定子に仕えていた当時、宮中で出会った人々のこと、自身の結婚のことなどを生き生きと述懐する。晩年の清少納言が、かつて中宮定子に仕えていた当時、宮中で出会った人々のこと、自身の結婚のことなどを生き生きと述懐する。

「清少納言が私に乗り憑(うつ)ってくれた」
平安を代表する女の恋と人生。
九十歳の人生をかけて描いた、渾身の書下ろし小説。

千年前も今も、女はかくも強く、かくも美しい。

瀬戸内 寂聴[セトウチ ジャクチョウ]
著・文・その他

内容説明

月の輪の庵で、九十を迎える清少納言は人生を振りかえる。心のうちに、甦るのは、幼い頃に死んだ母のことばと、お仕えした中宮定子のお姿だった。隆盛を極めた中関白家の衰退と権力をめぐる争い、中宮定子の悲劇。そして自分自身の結婚、離別、愛と性。華やかな宮中を生きぬいた女性の人生を描き、人の世の美しさをことばにした「枕草子」の創作秘話に迫る、瀬戸内寂聴の新たなる代表作。

著者等紹介

瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。57年に「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞を受賞。61年に『田村俊子』で田村俊子賞、63年に『夏の終り』で女流文学賞を受賞。73年、中尊寺で得度受戒。法名・寂聴。74年、京都嵯峨野に寂庵を結ぶ。87年より2005年まで岩手県天台寺住職を務める。92年に『花に問え』で谷崎潤一郎賞を、96年に『白道』で芸術選奨文部大臣賞をそれぞれ受賞。同年、「源氏物語」現代語訳(全十巻)刊行開始。2001年、『場所』で野間文芸賞を受賞。06年、国際ノニーノ賞(イタリア)を受賞。同年。文化勲章を受章。08年には安吾賞を受賞。2011年『風景』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

96
清少納言が主人公の小説。清少納言が自分の人生を振り返る形で小説が進んでいくが、どうしても彼女を寂聴さんに重ね合わせてしまう。清少納言の人に対する眼差しは辛辣なところがありながら、優しく、あたたかい。人間のどうしようもなさを認めながら、それでも人間を愛おしく感じるという清少納言の大らかな想いには励まされる気がした。御年90歳とは思えない寂聴さんの瑞々しい文体が素晴らしい。寂聴さんの小説をもっと読んでみようと思った。2013/12/15

カピバラ

54
清少納言の人生を本人がつらつらと書き綴った日記みたいなお話でした。定子に対する愛がほとばしってましたね。2016/05/31

kaoriction@感想は気まぐれに

24
月の輪庵で九十歳を迎える清少納言。去来する幼い頃からの悲喜劇、関白家の衰退、中宮定子との日々。それを描くは、九十歳を迎えた瀬戸内寂聴。不思議なシンクロ感。清少納言が寂聴なのか、寂聴が清少納言なのか。中だるみはあったが、伊周の陥落、中宮定子の哀しみの最期、とクライマックスは引き込まれた。杉本苑子『山河寂寥』を読んだばかりなので、少し物足りないなさはある。でも!瀬戸内氏 九十歳!その筆致と意欲は素敵。「清少納言が(略)憑っ」たよう。御自身も仰るように、もう二度と書き下ろしはないかも。色々な意味で貴重な一冊。2013/08/18

yumiko

20
寂れた庵で一人暮らす、年老いた清少納言の昔語り。思いつくままあちらこちらと話が移り変わる語り口は、いかにも齢を重ねた女性らしいもの。敬愛する中宮定子の美しさ、華やかな宮中の暮らし、政争に敗れ没落していく貴族、そして様々な男たちとの出会い。全てがゆるゆると柔らかな筆致で描かれ、やはりこの時代を描くには、型があるのだと思わされる。瀬戸内寂聴の筆は、さすがに老いを感じさせるけれど、確かに雅で艶がある(冲方丁の「はなとゆめ」を比較するのは酷というもの)。麗らかな春の日に、平安時代に浸るに相応しい一冊だった。2014/04/16

ひまわり

18
学生のころ古典の王道というと「枕草子」と「源氏物語」だった。今は「源氏」の一人勝ちらしいですね^^文学的深さでいうと「枕草子」は「源氏」にかなわないと。清少納言が中宮さまのそば、宮廷で名を馳せていたのは、ほんの短い期間。そのあとの定子さまが苦しまれた様子を物語にしてみれば、後世まで語り続けられる文学者になっていただろうに それをしなかった清少納言の潔さが格好良いなと思えた。女性が窮屈な時代とはいわれるが文学は女性を解き放って自由にしているなと、文学(物を書くこと)の力のすごさを再確認させられた。2013/06/13

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