内容説明
三銃士との思い出を懐しむばかりのダルタニャンに、トレヴィル殿から呼び出しがあった。盗賊スカーレット・ルピナス団を追え、と。こうして始まったダルタニャンの冒険は、フランスからイングランド、スコットランドに及び、この間、江戸から来た無敵の剣士という無二の親友を得て、無事終わりを告げた。が、二人がパリに戻ったとき、男は、さらなる驚天動地の行動に出た。彼は、天海僧正によって仕組まれた、とある使命を帯びていたのだった。
著者等紹介
荒山徹[アラヤマトオル]
1961年、富山県生まれ。上智大学卒業後、新聞社、出版社を経て、韓国に留学。’99年、『高麗秘帖』で鮮烈デビュー。’08年、『柳生大戦争』で第2回舟橋聖一文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海猫
8
予想外の西洋が舞台の活劇。荒山テイスト健在なれど分量が物足りない。2010/12/02
ビター
7
絶対おかしいよこの人……英語とフランス語を話す十兵衛ってあんた。しかも某神話絡めるとか、もうね。いや面白かったけど。2013/03/29
西澤 隆
6
手触りは小学生の頃じいちゃんちで見つけた紙が黄色くなり作者「大デューマ」と書いてあった子ども向け翻訳の三銃士のもの。ダルタニアンが登場する冒険活劇は大時代的な言い回しでめまぐるしく場面転換し、怪しい東洋人柳生十兵衛も登場してサービス精神満点のまま大団円へとなだれこむ。不殺の願いから無刀取りを編み出した柳生の願いはほんのり香るだけで、ばっさばっさと敵を退治していくあたり、参考文献に山岡荘八の「柳生宗矩(春の坂道)」があるのになぜ?と思う部分もなくはないけれど、それはそれ。黄ばんだ紙と古い活字で読みたいなあ。2016/06/13
辺野錠
6
荒山徹トークショーで新作はダルタニャンと柳生十兵衛の共演と聞いたときはそれはもうひっくり返ったものである。柳生十兵衛とダルタニャンが共闘という時点でもう勝ち。ヨーロッパが舞台で朝鮮は出て来ないが柳生は出て来るし失われた民族が陰謀を巡らし最後にはとんでもないものとクロスオーバーするいつもの荒山徹作品。山田風太郎作品と同一世界観と暗示されるのも楽しい。そしてこの共闘に二度目があることが明かされて終りだがいつかこの二度目を書いてほしいです。2016/03/09
GEN
6
わたしは恐ろしい!「ダルタニャンと柳生十兵衛が活躍した時代はだいたい同じ?なら出会っても仕方ないな」と納得してしまう自分が恐ろしい!ヨーロッパを舞台に東西2大剣士が大暴れするという、この荒山徹版「友を選ばば」。場をいつもの半島から移しても、民族の起源などをネタにしつつ妖術士やら(某湖の)怪獣やらが暴れる展開はいつものアレ。しかし、おなじみの朝鮮妖術師に比べ、クトゥルフ絡みとはいえ西洋魔術師の存在のなんと自然なことか。ただ、そのぶんアクは弱くちょっと物足りない部分もあるかと。そんな風に思う自分が恐ろしい!2013/03/22