アナザー修学旅行

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062162906
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

第50回講談社児童文学新人賞受賞のデビュー作
もう、ぞくぞくするくらい中学生なわけ。話すことも、話す言葉も、話し方も、考え方も、行動も……ぜんぶ!
金原瑞人氏推薦!!

このささやかな「旅」には思いがけない発見と、初夏の風にざわつく胸の感覚がある。「小田、にっくらしいこと言いながら、チョコついてるよ」という、このリアリティ!こんな感覚、いままでの中学生ものにはなかったと思う。なんで、いままでこんな作品が出てこなかったんだろう、と不思議になるくらい、出てきて当然なのに出てこなかった作品。この本が出てしばらくは、この本みたいな本ばかりがヤングアダルトの棚に並ぶんじゃないかと思う。(金原瑞人/翻訳家・法政大学社会学部長)

有沢 佳映[アリサワ カエ]
著・文・その他

内容説明

たとえば風邪とかで何日か学校を休んで一人でいると、家族以外の、他人と接しないと、心に同じ形の波しか立たなくなる気がする。水槽の中で金魚が自分で作る波と、海や川の波は違うみたいに。秋吉にとって、教室は海だろう。第50回講談社児童文学新人賞受賞のデビュー作。

著者等紹介

有沢佳映[アリサワカエ]
1974年生まれ。昭和女子大学短期大学部卒業。群馬県在住。第50回講談社児童文学新人賞を『アナザー修学旅行』で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

98
修学旅行に行けなかったいわゆる“留守番組”。クラスも違う6人(プラス1人)がぎくしゃくと過ごすうちに次第に仲間になっていく。大事件はなくとも、修学旅行に負けないくらいスペシャルな3日間のお話。「私」以外超個性的な顔ぶれなのがフィクションだなあと思うけれど、他愛ない会話でこんなに読ませるのはすごい。ストーリーと同じように、派手ではないけどずっと心に残りそうな作品だった。2017/12/28

ぶんこ

61
中学の修学旅行に参加できず、学校に通学していた3日間のお話。 意図的に参加しなかった訳ではなく、骨折で居残らざるを得なかった三浦佐和子さんの目線から書かれていて、八方美人と自称する彼女らしい目線が中学生らしくて好感が持てました。 この3日間の殊勲賞は小田君でしょう。 彼の明るさが皆を結びつけたと思いました。 岸本さんも意外な程の良い子でした。 秋吉君も保健室から脱出出来たし、机ペンキ事件も皆の結束で解決出来たし、素晴らしいアナザー修学旅行の思い出になったでしょう。2015/09/27

はる

58
好みです。10代の頃の、あの独特の空気感。懐かしくて、いくらでも読んでいられる。あの頃って、どうしてあんなに感覚が鋭いのだろう。とりとめのない会話、何気ない仕草。本音が透けて見える描き方が凄く巧い。ほんの少し特殊な状況のなかでのわくわくする感じ。「夜のピクニック」を思い出す。終盤、打ち解けてきたのと同時にこのお祭り騒ぎが終わりに近づいたこと、そして、やがては青春時代にも終わりが来ることを暗示するような描き方なのもしみじみとした余韻が残る。2020/11/17

papapapapal

46
中学3年生。修学旅行に参加できなかった性格もバラバラな7人が、3日間ひとつの教室で過ごす様子を描いた物語。初日はよそよそしい7人が、少しずつ距離を縮めていく様子が中学生らしく爽やか。修学旅行に負けないくらい貴重な体験をした7人。日常が戻ればおそらく元に戻ってしまうであろう淡い関係だけど、彼らが大人になった時、ふとこの3日間が蘇り、思い出し笑いを浮かべる様子がありありと想像できる。同窓会でとある場所に集結した7人。友人たちが遠巻きに「このメンバーの接点は?」と不思議な顔をしている様子も…見えてくる。2020/12/18

ミルルン

45
様々な理由で修学旅行に行けなかった生徒たちで過ごす三日間。これは、確かに気まずいですよね。でも、その三日間で、起こった出来事に対して、皆で考え、行動し、それぞれの本心がチラリとこぼれ、意外な一面が見えて…。これは修学旅行より、心に刻まれたものが大きかったんじゃないかなと思う。この三日間を胸に秘めて、明日からはまた、いつも通りの日常へ。『かさねちゃんにきいてみな』でも思ったけど、有沢さんの作品に出てくる子供たちは、偏見とか差別とかがないのが、好感が持てます。2015/08/21

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