ピストルズ

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  • サイズ B6判/ページ数 667p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062161169
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

傑作『シンセミア』を凌ぐ阿部和重の金字塔。
「神の町」に住む魔術師の一族が、千年以上も継承した“秘術”とは? 明かされる一族の呪縛はやがて日常へ侵食し、醒めない悪夢を引き起こす。神町サーガ最新章。

内容説明

「若木山の裏手には、魔術師の一家が暮らしている―」。田舎町の書店主・石川は、とあるキッカケから町の外れに住む魔術師一家と噂される人々と接触する。その名は菖蒲家。謎に包まれた一族の秘密を探るべく、石川は菖蒲四姉妹の次女・あおばにインタビューを敢行するのだが…。そこで語られ始めたのは、一族の間で千年以上も継承された秘術にまつわる、目眩めく壮大な歴史だった。史実の闇に葬り去られた神の町の盛衰とともに明かされていく一子相伝「アヤメメソッド」の正体と、一族の忌まわしき宿命。そして秘術の継承者である末娘・みずきが引き起こしてしまった取り返しのつかない過ちとは一体―?やがて物語は二〇〇五年の夏に起こった血の日曜日事件の隠された真相を暴きだしてゆく…。読むものをあらゆる未知へと誘う、分類不能の傑作巨篇。

著者等紹介

阿部和重[アベカズシゲ]
1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人文学賞を受賞しデビュー。その後、『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、『シンセミア』では第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞をダブル受賞、『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とも

108
前半、わからない言葉が多くて、一つひとつ調べながらゆっくりと世界観を楽しみながら読んだ。 伊坂幸太郎さんが薦めていたので読み始めた。 シンセミアをまだ読んでないので、そちらを読んで、オーガニズムを読んでみよう。 しばらく楽しみが続きそう。2021/09/10

けい

57
読友さん2013年読んだ本一押し作品とのことで手に取ったのですが面白かった。菖蒲家をめぐる遠大な物語を次女あおばが語り、それを石川が手記形式で綴る形で物語が展開する。一字一字読み進めていく毎に、塗り固められていく菖蒲家の人々の個性と歴史、どんどん成長していく世界観。ページ数、字数ともに多い本作ですが、それに見合った形で面白さが広がっていきました。この作品を読まなければ先に読んだ芥川賞作品の「グランドフィナーレ」の意味と面白さにに気付くことができなかったと思います。重ねて読友さんに感謝です。2014/02/01

みんと

36
長編で力作というのはわかるのだが、どうも心に響くものがないのである。 残念ながら、物語としての面白みを作品の中に見つけることができず、消化不良のまま読了してしまった。 ところどころ、面白い部分はあるのだが、長すぎるが故に混沌とし、著者がいちばん書きたかった部分が見つけづらくなっているのだろう。 父から子への修行と称した虐待に近い行為にはとても笑えず閉口し、独りよがりな世界の中での悍ましき表現の羅列はどうにも受け入れることができなかった。2011/02/20

らぱん

34
長いというよりも遅い。「シンセミア」がCならこちらはHか。早いよりも遅いほうが疲労することがわかった。1200年続く怪しげな一族の直近100年ほどが語られ、各時代のムーブメントとしてニューエイジからスピリチャルを切り口にカスタネダやアヤワスカ、コミューンなどのキーワードとともに神町クロニクルの新たな側面が浮かび上がる。そもそも物語の出自は神話にあり手法はブリコラージュ的である。それを忠実になぞった実験的で思想的な小説だと思う。シンセミアが未授精の雌花でピスティルズは雌蕊。タイトルが意味深いと嘆息した。2019/04/05

里愛乍

26
淡々と語られる打ち明け話は、現在進行形ではないせいか、全てを知った者による語り文のせいなのか、内容はそこそこ壮絶なのにまるで目の前をすーっと横切っていくかのようでした。例えばこの事件、これひとつとっても一冊の本ができるのでは?と思える出来事も要約して語られ数ページで解決という、上がったと思ったら即落とされる、というようななんとも不思議な読み心地です。このような小説を書く作家さんとあのような小説を書く伊坂さんの合作本とは一体どのような作品なのか…かなり興味深く、来月が楽しみです。2014/10/30

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