出版社内容情報
「特養」常勤医が現場から初めて告発
特養ホームの介護現場では、胃に管を通して栄養注入する胃ろう手術や多量の点滴が肺炎を誘発している。
数少ない常勤医が過剰な医療をしない平穏死を提案する。
石飛 幸三[イシトビ コウゾウ]
著・文・その他
内容説明
延命治療の限界、安らかな「看取り」を考える。「特養」常勤配置医が初めて提言。
目次
第1章 ホームで起きていたこと
第2章 高齢者には何が起きているのか
第3章 なぜホームで死ねないのか
第4章 私たちがしたこと
第5章 ホームの変化
第6章 どう生きるか
著者等紹介
石飛幸三[イシトビコウゾウ]
昭和10年11月2日生まれ。昭和36年慶応義塾大学医学部卒業。昭和45年ドイツ、フェルディナント・ザウアーブルッフ記念病院で血管外科医として約2年間勤務。昭和47年より東京都済生会中央病院勤務。平成5年同病院副院長。平成17年12月より芦花ホームに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
56
私も著者と同じ考えです。高齢で嚥下機能が衰え、口から食べられなくなったら、寿命が近づいたのだと思います。胃瘻や経管栄養は要りません。日本の病院では治療をしないなら入っていられない。核家族化が進み自宅で看取られるのは難しい。となれば、老人施設で無理な延命措置を受けることなく自然に亡くなるのが一番安らかな死に方かもしれない。2014/02/12
AICHAN
39
図書館本。口から食べられなくなったら私は自然死を望む。遺書にもそう書いた。著者は特養老人ホームの常勤医。赴任して驚いたのは、入所者の多くが経管栄養の措置を施されていたこと。鼻から胃にチューブを通され、または腹部に穴を開けて胃にチューブを通し、そこから栄養を送り込む。入所者の9割が認知症で、誤嚥が多い。それで誤嚥性肺炎になることが多く、そのための措置だ。しかし経管栄養でも注入した栄養が逆流して肺炎になることがある。そこまでして生かしてもらうのは入所者の本意なのか? 認知症だけにそこは謎だが想像はできる。2018/03/14
しんぺい
15
老人になって胃瘻をつけるのはよく考えること。治る見込みが無く延命のために胃瘻をつけることは虐待。人はだんだんと食べる量が減っていき老衰に向かう。2018/07/08
D21 レム
14
食べられなくなってから亡くなるまでは、体の中を整理整頓している状態、体が死に馴染んでいく過程。胃瘘や経管栄養などをすると逆に負担になる。栄養と水分の補給をしなければ体から自然にエンドルフィンが出るといわれ、苦痛なく死へ向かえる。経管栄養の開発責任者が「自分の母親にはあたえません」。口から食べられなくなったら、生命活動が終焉に近づいている。老衰で自然になくなることが難しい。病院出産が自然からかけはなれた状態になっているが、死も同じ。ホームに入った叔母を見舞ったあとなのでたいへん切実。2012/10/18
マリリン
13
表題の問いかけには自分なりの答えを持っていたが、老衰が進むと自然に栄養や水分を必要としなくなるという事が理解できた。最後は本人に意思決定が出来なくても自然に終焉を迎えられる社会であって欲しいと思う。全てではないものの日本の法律には不信感を持ってしまう。2018/04/23