排出権商人

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  • サイズ B6判/ページ数 414,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062159173
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

空気が大金に化ける。これが「排出権ビジネス」の実態だ!
世界11ヵ国に及ぶ徹底した取材で描く、緊迫のリアルフィクション!
温室効果ガス削減か、排出権の購入か。温暖化防止の美名の下で生まれた、まったく新しい国際ビジネス。利権に群がるしたたかな商人たちの、ターゲットは日本――。

排出権(カーボンクレジット)。それは温室効果ガスを「排出する権利」。京都会議で、実現不可能な排出削減目標を負った日本は、莫大な金額で外国から「排出権」を買わなくてはならない。国民負担は、5年間で1兆円――。

新日本エンジニアリングの松川冴子は、地球環境室長として排出権ビジネスの開拓を命じられる。巨大排出権市場・中国を奔走する冴子が、見たものはなにか。

内容説明

空気が大金に化ける。これが「排出権ビジネス」の実態だ!温室効果ガス削減か、排出権の購入か。温暖化防止の美名の下で生まれた、まったく新しい国際ビジネス。利権に群がるしたたかな商人たちの、ターゲットは日本―。世界11ヵ国に及ぶ徹底した取材で描く、緊迫のリアルフィクション。

著者等紹介

黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。銀行、証券会社、総合商社勤務を経て作家。2000年、国際協調融資を描いた『トップ・レフト』でデビュー。中学時代から長距離ランナーとして活躍し、大学時代は箱根駅伝に2度出場、20kmで道路北海道記録を塗り替えた。その体験は自伝的長編『冬の喝采』にほぼノンフィクションの形で綴られている。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつうら

52
排出権取引って最近あまり聞かなくなったけど? そう考えながら手にとった一冊が驚くことだらけ! まず、京都議定書にサインしたときから日本はムリゲーを強いられてきたこと。これはどう考えても小泉総理の失態だ。 アメリカに逃げられ、EUに丸め込まれ、日本はハズレくじを全部押しつけられた感じ。そのため毎年1兆円で他国の排出権を買い、そのほとんどが脅威のチャイナマネーになっているのだから、目も当てられない。あげくの果てには、環境ビジネスは欧米のペテンだったという強烈なオチ。。。もう、好きにしちゃってください。2023/02/01

ヤギ郎

17
黒木亮の経済小説。京都議定書の発効を受けた、各国で「排出権」が売買されるようになった。物語は大手エンジニアリング会社の女性室長を中心に描かれているものの、排出権の周りにいる様々な人たちをクローズアップしている。仕事の話ばかりではなく、出張先の文化やキャラクターたちの内面も描かれていて、読み応えのある経済小説になっている。本書では、エンジニアリング企業、国連官僚(日本の官僚)、外資ファンドが中心に描かれている。これに合わせて環境NGOにもフォーカスをしたらどうだろうか。黒木亮の描く環境NGOにも興味が湧く。2020/11/25

おのちん

16
★★★★☆:再読の一冊。10年以上前の作であるが何気なく手に取った。前回は気にならなかったが最後が衝撃的だった。2003年に作られた米国の専門家報告では,北半球は2010年頃から平均気温が下がり始め、2017年には平均気温が七、八度下がると予測されると・・。2022/07/10

シュラフ

15
そういえば"地球温暖化"と"排出権取引"の話はどうなったんだろう。最近まったく目にしなくなった気がする。地球温暖化防止のため各国が協力してCO2を削減する、理念としては素晴らしいことである。だが、環境問題を口実に商売のネタをつくろうとしている胡散臭い話にも思える。会議の場面での各国のエゴまる出しの様子が生々しい。環境問題は二の次で、すべては自国の利益の話ばかりである。"空気がカネになる"と叫ぶ中国人の姿を想像すると、巨額の排出権購入を与儀なくされる日本という国が悲しく思えてくる。2014/03/29

あっくん

13
「カラ売り屋」シリーズの長編。CO2排出権を扱うビジネス業界を舞台に、例のごとくカラ売り屋が企業の不正を暴いて、最後は儲けるストーリー。 社会変化に伴う国政政治決議から大きなビジネスが生まれ、そこで甘い蜜を吸う輩が集まる好例が排出権ビジネスかもしれない。 やっていることは間違いなく良いことなのだが、いつしか手段が目的化してその目的がビジネスとなる悲しい現実。 ロシアのウクライナ侵攻で欧州のエネルギー政策が大きく影響を受けているなかで、このビジネスがどう方向転換するかウォッチしていきたい。2022/10/10

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