出版社内容情報
確かなこと、かくしてボタンは、押される。
裁判員制度が始まり、貴方も誰かを「死刑」にする権利を手に入れた。必要なのは「存置」か「廃止」かという机上の論ではない。執行現場で起きているリアルだけだ。
内容説明
「存置」か「廃止」か、ではない。描かれるのは、徹底的にリアルな風景だけ。裁判員制度の導入で貴方が得るもの、それは、どこかの誰かを死刑にする可能性。加害者本人や被害者遺族、刑務官、教誨師、検察庁幹部…。それぞれの口の端から零れる懊悩と逡巡、そして、自らの手で死刑を確定させた男からの手紙に書かれる酷薄な論理。さまざまな現場の声を拾うことによって再現される、執行のボタンを押すという「作業」にまつわる、あるがままのリアル。
目次
1 かくしてボタンは押される
2(“少年”―1;栃木・今市4人殺傷事件;“少年”―2;愛知・半田保険金殺人事件;“少年”―3;埼玉・熊谷4人拉致殺傷事件;“少年”―4;福岡・飯塚女児殺害事件;“少年”―5)
著者等紹介
青木理[アオキオサム]
ジャーナリスト。1966年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒。1990年、共同通信社に入社。大阪社会部、成田支局を経て、本社社会部の警視庁担当に。警備・公安担当となり、その経験を基に『日本の公安警察』(講談社現代新書)を執筆した。ソウル特派員を務めた後、2006年に同社を退社してフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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