骸骨ビルの庭〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062155311
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

住人たちを立ち退かせるため、八木沢省三郎は管理人として骸骨ビルに着任する。そこは、戦後、二人の青年が子供たちを育てた場所だった。食料にも事欠き、庭で野菜を作りながら、彼らは命を賭して子供たちと生きた。成人してもなおビルに住み続けるかつての子供たちと、老いた育ての親、それぞれの人生の軌跡と断ち切れぬ絆が八木沢の心を動かす。すべての日本人が忘れられない記憶。現代人が失った純粋な生き方が、今、鮮やかに甦る。

著者等紹介

宮本輝[ミヤモトテル]
1947年兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒業。’77年『泥の河』で太宰治賞、’78年『螢川』で芥川賞、’87年『優駿』で吉川英治文学賞を受賞。2004年には『約束の冬』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

66
それにしても食欲をそそられる小説だ。戦後大阪十三。戦争で親を失った子供たちや親から捨てられた子供たちをはぐくんだ二人の若者と、「骸骨ビル」。八木沢はそのビルのかっての子供たちを立ち退かせるために東京の会社から派遣されてやってきたのだが、、、まさに宮本輝版「秘密の花園」?後半が楽しみですー。2016/09/25

i-miya

58
2013.09.15(初読)宮本輝著。 2013.09.14 (カバー) 大阪、十三、戦前からあう「骸骨ビル」。 戦後混乱期に住みついて、オーナーの阿部轍正と茂木泰造たちに育てられた孤児たちを立ち退かせる役目の三人目、八木沢省三郎-一筋縄ではいかなさそうな彼等の話に、困難であったろう日々に思いを馳せる。 (宮本輝) 1947、神戸市生まれ。 追手門大学文学部卒。 1995、震災に被災、倒壊。 (本文) 私がこの風変わりなビル管理人としていたのはわずか3か月余りのことであった。  2013/09/15

i-miya

42
2013.09.23(つづき)宮本輝著。 2013.09.23 子路はある権力者に憎まれて死んだ、無残な死を遂げた。 孔子、「由也死なん」と泣いた。 かい刑に処された。 かいは塩辛のことだ。 塩辛の状態にして長く人の目に晒した。 70歳を超えた老教授。 中国古典文学。 司馬遷の『史記』教えた。 中華文明すべてにわたり変幻自在な講義をしてくれた、楽しみだった。 纏足の女と交わる悦楽、宦官の性処理の秘儀、究極の焼豚作りのレシピ、中華料理の最高のスープは何か、毒殺の完全犯罪は、 2013/09/23

i-miya

42
2013.09.17(つづき)宮本輝著。 2013.09.16 二人の男。 +木内「自分で運ばしたらええやん」いうて、手は冷蔵庫にかかっている。大阪人やなあ(i-miya)木内、大男。 +チャッピー、小柄な男、ぎっくりごしになるでえ=布久志郎=タイコー彫金。 +男、革ジャン男、右目がひどい斜視、これ、あんたがつかうんでっせ、あわてて私持つ。 +女=胸の隆起、私も、15年ぶりよ。 あいつが小田や、竿も玉もとっとる。 杉山はS20.08.02死亡。 2013/09/17

美雀(みすず)

41
杉山ビルディング、通称「骸骨ビル」の中で二人の男性が多数の浮浪児の面倒を見る。自分の事で一杯一杯の親逹が子供を置いてゆく。そのビルの中で貧しいながらも生きていく。それでも逞しく生きている事が感じられた。2013/12/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/579704
  • ご注意事項