内容説明
一九四八年春、「漢奸」の汚名を着せられた川島芳子は本当に北京で「銃殺」されたのか?その知性と美貌で「東洋のマタ・ハリ」と呼ばれた彼女の数奇な生涯とミステリアスな最期に迫るドキュメント・ノベル。
目次
処刑の朝
蒙古の春
動乱の中国大陸
東京の芳子
満蒙の嵐
松本時代
蒙古に渡った芳子
上海狂想曲
満州事変
上海事変の頃
上海から満州へ
東洋のジャンヌ・ダルク
日満往来
日華事変の陰で
落日近し
獄中の芳子
芳子は生きている
著者等紹介
太田尚樹[オオタナオキ]
1941年、東京都生まれ。東海大学名誉教授。東京水産大学卒業後、米国サンフランシスコ大学、カリフォルニア大学バークレー校、さらにスペイン・マドリッド大学へ留学。スペインを中心としたヨーロッパ文明史の研究など比較文明論を専門とし、近年は昭和史をテーマにしたドキュメント・ノベルのジャンルでも活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆき
6
「東洋のマタ・ハリ」「男装の麗人」って言われている人ってどんな人?って予備知識なしから読みました。人格障害じゃなくって、性同一性障害のほうだったかも?みたいな見解にはなかなか興味深かったです・・・。破天荒で、天才的ですよね。2015/01/25
パンダネコ
2
時代に翻弄された人生ですね…。2015/09/03
ここあ
0
川島芳子の生き方に興味があって読んでみた。日中満の間でまさに翻弄された王女の悲劇と芳子の最期がすごく謎につつまれていて、すごくドラマチックだった。今の時代に芳子がいたら何を思うのかな。2013/12/15
猫草
0
日中を又に掛けたスパイ活動よりも その破天荒な生き様が興味深い。現代なら境界性人格障害・演技性人格障害・性同一性障害などなどで片づけられるが そのパーソナリティ障害の上に歴史の動乱が重なって小説より面白いドラマが生まれたのかも・・・2011/07/18
himiko
0
満州事変周辺の話しには必ず出てくる川島芳子について、集中的に知ることが出来る興味深い内容だった。昭和初期のノンフィクションをもっと読みたくなった。2010/07/13