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電化製品列伝

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062150231
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

人気作家の“異色”書評&エッセイ集!  
現代小説を語る=電化製品を語ること!?アイロン、マグライト、テレビ、乾電池……電化製品が登場する作品をマニアックに語り尽くす、異色の書評&エッセイ集。

『自作に限らず「今」「この時代に」小説などを書くとき、その世界に「電化」は必ず関わってくる。』
電化製品をこよなく愛し、作中にも多用する著者が電化製品の登場する文学作品を語りつくす。

〈本書で取り上げている作品>
・よしもとばなな「キッチン」のジューサー。
・小川洋子「博士の愛した数式」のアイロン。
・吉田修一「日曜日の新郎たち」のリモコン。
・伊藤たかみ「ミカ!」のホットプレート。
・柴崎智香「フルタイムライフ」のシュレッダー。
・映画「哀しい気分でジョーク」のレーザーディスク
ほか

著者紹介:1972年生まれ。
東洋大学2部文学部国文学科卒。
2001年「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞してデビュー。
2002年「夕子ちゃんの近道」で第1回大江健三郎賞受賞。
その他の著書に「ジャージの2人」「パラレル」「泣かない女はいない」「エロマンガ島」「僕は落ち着きがない」など。

内容説明

自らの作品を「長嶋家電文学」と称す著者が、現代文学で描かれる電化製品を熱く語り尽くす!こんな読み方があったのか!と、思わず目からウロコが落ちる書評(+映画評)18篇を収録。テレビにアイロン、加湿器、炊飯ジャーから電気シェーバーまで…「オール電化」な“異色”書評&エッセイ集。

目次

川上弘美『センセイの鞄』の電池
伊藤たかみ『ミカ!』のホットプレート
吉田修一『日曜日たち』のリモコン
柴崎友香『フルタイムライフ』のシュレッダー
福永信「アクロバット前夜」のマグライト
尾辻克彦「肌ざわり」のブラウン管テレビ
映画『哀しい気分でジョーク』のレーザーディスク
吉本ばなな「キッチン」のジューサー
生田紗代「雲をつくる」の加湿器
アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』の電気毛布〔ほか〕

著者等紹介

長嶋有[ナガシマユウ]
1972年生まれ。東洋大学2部文学部国文学科卒。2001年「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞してデビュー。2002年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞受賞。2007年『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

45
作中に登場する料理や風景をピックアップした本は良く見かけるけれど、電化製品に注目して書評にしている本は中々ないですよね?独特な客観描写を描く長嶋有さんらしい注目点と興味深く読みましたよ。確かに、電化製品?と思った部分もあるけれど、1作品目から川上弘美さんの「センセイの鞄」に出てきた乾電池に注目して書評にするあたり、つかみはバッチリ!ちなみに私の場合、作中に出てきた電化製品で真っ先に浮かんだのは、、、村上春樹さんの作品で良く登場する、アイロン。2018/09/26

さすらいのアリクイ

25
作家の長嶋有さんが小説やマンガ、映画の中に登場している電化製品を取り上げ、電化製品そのものについてや、各作品内での電化製品の登場の仕方、使われ方、意味などを解説している本。類似している本が見当たらない本なので最初はどう読んでいいのか戸惑いましたが、慣れたら楽しく読めました。例えば吉本ばななさんの「キッチン」に出てくるジューサーの章では、電化製品がウチにくることについての考察や、ジューサーが登場する一文からその電化製品の意味や可能性を見い出したり…。電化製品を通して見た作品論、なんでしょうね。面白いです。2016/04/27

ゆにこ

20
新しい書評というか、切り口が斬新。アイロンについての文章が一番好きでした。衣類が皺だらけでも生きていく事は出来るけど、ぴしっとしたい。世界を良くするためにアイロンをかけるのだ。2013/06/14

katoyann

17
小説、映画、漫画に出てくる家電の描写と性能を説明するというマニアックな評論。挙げられている小説のうち、川上弘美『センセイの鞄』、吉本ばなな『キッチン』、干刈あがた『ゆっくり東京女子マラソン』は読んでいるが、家電の描写については全く見落としていた。長島自身は作品の中でモノや電化製品を何かの象徴のように丁寧に書く傾向があるから(『ジャージの二人』など)、モノにこだわりがあるのかもしれない。やはり作家は細かいところまでよく読んでいるのだ。ビートたけし主演『哀しい気分でジョーク』のレーザーディスク!時代だなぁ。2022/05/03

nyanco

17
確かに電化製品は、最も時代を反映させるツール。リモコン、レーザーディスク、ミニコンポ。ストーブの上でシュンシュン音を立てるヤカンと氷嚢、そんな懐かしいシーンが今は加湿器に熱さまシート。う~ん、こんな本の読み方もあったのか…。目から鱗…。2009/08/04

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