宿屋めぐり

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  • サイズ B6判/ページ数 602p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062148610
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

執筆7年。新たな傑作長編小説の誕生!

主はいつも言っていた。
「滅びにいたる道は広く、光にいたる道は狭い。おまえらはいつも広い道ばかり行こうとするが、それは天辺から誤りだよ」

主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、「偽」の世界にはまりこむ。嘘と偽善に憤り真実を求めながら、いつしか自ら嘘にまみれてゆく彦名の壮絶な道中。その苦行の果てに待ち受けるものは。
俺は俺の足で歩いていくのだ。俺の2本の足で正しい道を。

第61回野間文芸賞受賞

町田 康[マチダ コウ]
著・文・その他

内容説明

主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、「偽」の世界にはまりこむ。嘘と偽善に憤り真実を求めながら、いつしか自ら嘘にまみれてゆく彦名の壮絶な道中。その苦行の果てに待ち受けるものは。

著者等紹介

町田康[マチダコウ]
1962年大阪府生まれ。作家、歌手、詩人として活躍。1996年に発表した処女小説『くっすん大黒』でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年『きれぎれ』で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kazi

22
すんごい労作ですね。町田康の作品の割には綿密な暴力描写があったりして、結構びっくりする作品でした。丸一日がかりでこの超大作に取り組んで、読み終わって今、自分は何を読まされたのかと茫然自失です。作品の中にある一つの世界が立ち上がっているというか、その意味では本作はメルヴィルの白鯨とかトマスピンチョン の書作品に比肩すべき作品なのだと思います。これだけスケール感をもって展開する作品なので、色々思うところはありますけど、2024/04/04

hide

17
嘘と欺瞞に満ちた世界に憤り、真実を求めながらも、自らも嘘と罪にまみれてゆく。嘘と本当の狭間でのたうちまわり正しさを求め、魂は彷徨う。私に想像される私、あなたに想像される私、主に創造される私。正しさとは何か。誰もが持つ人間の弱さと自意識の高さの滑稽さ。主(あるじ)が主(しゅ)に変換された瞬間に物語が一気に加速する。そう。みんなも同じように宿屋をめぐっている。これは凄いな。2018/10/18

マリオ

17
もしも聖書の登場人物が一般人だったら。みたいな設定なのかな。答えが分からないけど、おそらく試されてるのだろうと思いながら決断するのは、ものすごく大変な事で、自分の価値基準や、経験で得た答えなんて簡単にぐらついてしまう。しかももし間違えてたら、ものすごい凄惨な罰を受けるんだから、生半可な決断なんて絶対できない。あまり良くない現状を肯定しまうのは、罰への恐怖からか。主人公は、自分の都合良いように考え、簡単に欲望に屈してしまいながらも、それすらも包みこんで、自己を肯定する。ここから僕が得るべき答えはいったい何?2016/11/10

miroku

15
人は何処から来て、何処へ行くのか?人生の意味・目的とは?そんなものは無い!人は虚空の旅人である。・・・という話。2010/11/22

ざれこ

14
アホやなああかんやっちゃなあおもろいなあと油断して読んでたら最後にがつんと。何ですのんこれは。主とは誰か自分とは何か人生とは宿屋めぐりなのか、ぐるぐる考える。頭んなかすっかり町田節に侵され自分崩壊中やし。しかし町田さんの描くダメ人間はまるで自分だ。言い訳ばかりの人生よ。くほほ。この笑いは自虐的笑いなのだなあ。2009/02/16

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