出版社内容情報
時代の転換点に必ず現れる院政を検証し、新しい歴史の広がりを縦横に描く「橋本史論」。
内容説明
院政こそ、「男の歴史」の始まりだ。時代の転換点に必ず現れる院政を検証し、新しい歴史の広がりを縦横に描く「橋本史論」。
目次
后の力
蘇我氏の時代
人のいる歴史
男の歴史
天皇の舅―摂関家
家長と一族
転換期としての院政の時代
名門が滅びる構造
父子対立への道
破綻の前夜
男をキレさせるシステム
戦えない男達
おかしなおかしな平治の乱
平氏政権への道
鹿ヶ谷事件とその謎
崩壊への道
源氏と平氏は戦うが
「木曾義仲」という謎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
10
とりあえずの通読。「自分の娘を天皇の后にして、生まれた外孫を天皇にする」ことがどこから始まったのか?への答えを探して系図を書いていったら欽明天皇の時代まで遡り、全長3㍍を越えてしまったというエピソードが圧巻。道長以降の摂関家と天皇は・・・女性を相手にする事に些かうんざりしていたのか男性の愛人に走るケースがとても多い。院政の院たちは皆そうだし、摂関家もそう。この「男寵」を知ると、一気に歴史が面白くなる。源平合戦は誰も戦いの全体像を把握しないまま進んだなし崩し局地戦の結果だという指摘にも刮目。2019/08/22
なぎ
3
あ、いかん双調全16巻読み返したくなってしまう(と言いつつ多分読まないんだけど)。「現代人」に置き換えられた清盛や頼長や後白河などなどいちいちぴったりなので思わず噴き出してしまうけれど、1000年の昔から人間って変わらないものなのかと思うとどこかうそ寒いものもあるよね、と。そして結論そこなんですか橋本先生!>日本の歴史はややこしくて鬱陶しくて、じれったい。2012/09/16
hrn
3
半分まで読んで時間切れで図書館返却。序盤が長すぎて話が進まない。系図が少しずつ形を変えて挿入されている。くどいほどあるが系図が完璧に頭に入っていない人間には親切設計。再読予定。2010/03/11
24う゛ぃれっぢ
2
現代と変わらない平安の人々のメンタリティを追ったエッセイ。こうやって、双調平家物語は紡がれていったのかあ…どこにでもいそうな嫌なやつと、欲望の赴くままに生きる権力者、翻弄されていく人々の栄枯盛衰がエッセイなのに劇的に語られ、『動かない』『全体を見ない』メンタリティがリアルに感じられる。そして、橋本治も木曾義仲のこと好きだなあという〆だったりもするのですが…2019/06/16
なお
2
長くて厚い本なのに、ニ、三度読んでます。はじめはチンプンカンプンだった人名や時代背景も頭に入ってきました。親子、兄弟入り乱れて争う時代だけに、どうしてそうなってしまうのかがわからなかったのですが、この本を読んで少し理解出来た気がします。あまりに人間臭い悪左府頼長や、まどろっこしい鳥羽上皇。ファンになりそうです。2017/10/24