再発見日本の哲学
廣松渉―近代の超克

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  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062141062
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0310

出版社内容情報

交通事故被害に遭った夫婦は、妊娠8ヶ月で待望の赤ちゃんを失った。わずか11時間を生きたわが子の人権を訴える夫婦。彼らの闘いを取材した筆者が、これまで日本では深く議論されてこなかった「胎児は人か否か」と

内容説明

物象化って何!?マルクス主義と日本を考えぬいた哲学。

目次

序章 乗り越えへの希求(難解な文体の起源をめぐって;宣言する思想;郷里を出る知の型)
第1章 近代という問題系(市民社会とネーション;機械的合理主義;アトミズムと主観・客観の分離)
第2章 マルクス主義の地平(疎外論から物象化論へ;世界の共同主観的存在構造;役割行為から権力へ)
第3章 日本思想の中の廣松渉(京都学派批判の意味するもの;近代主義の近代観;近代の超克のパラドックス)

著者等紹介

小林敏明[コバヤシトシアキ]
1948年、岐阜県生まれ。ライプツィヒ大学東アジア研究所教授。専攻は、哲学、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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白義

4
近代というテーマを中心に廣松哲学の骨格がコンパクトに詰められていて、廣松の日本思想史での位置付けと特徴が、京都学派と比べられて語られていて短いけど気合いの入った著作。廣松渉という個人を通して、日本の近代や思想風土まで考えられる濃密な小著ですね。単純に入門としても廣松渉の思想解説としては最適な本です。廣松は文章はものすごく論理的で緻密、その思想の独創性は日本有数の数少ない本物の哲学者なのですが、擬漢文とも言えるくらい表現が晦渋なのでこういう入門書で見取り図を把握しておくといいでしょう2011/07/12

takao

3
ふむ2023/12/05

本命@ふまにたす

3
戦後日本の哲学者、廣松渉に関して論じた一冊。「近代」社会に対する向き合い方をひとつの軸にしつつ論じている。著者の廣松評価は賛否が分かれそうだが、小著ながら読み応えがある。2023/02/05

greenman

3
廣松渉の回想録を書いた著者による、廣松哲学入門といっていい本。先に「いまこそマルクスを読み返す」から廣松に入った人間としては、廣松哲学全体のパースペクティブがわかるようになるのがありがたい。対象面と主体面それぞれの二重性がつくる「四肢構造」論は、言語で複雑に入れ子構造になっているというのは理解しやすい。それだけでなく本書の見所は、日本思想における廣松哲学を位置づけていることだ。特に「近代の超克」論」と京都学派の類似、そして戦後民主主義の代表としての丸山眞男との比較はこれまでになかった視点ではないだろうか。2012/06/09

KN

2
良書。廣松の文体の謎に迫る序章がとくに秀逸。「近代の超克」論を通して廣松を日本思想史のなかに位置づけようとする最終章も面白い。2018/04/30

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