内容説明
「石に映る影」―石の愛称は「ニコ」メノウの原石だ。いつも黒い服を着ていた謎の女K、そして、Kから聞いたニコのこと。「ジョン・シルバーの碑」―母は「パチンコ玉みたいなやつ」が居座ったままの右足のふくらはぎをごっそりと削る手術を受けた。難病に冒された母の病魔との闘い。「小さな湾の青い王」―私が最後に女だったとき。私は男の下で石のようにじっとしていたのではなかったか。海は女をより女にし、不思議な出会いをもたらす。「フードコートで会いましょう」―お腹にはビー玉が入っていてときどき由加さんは無意識に人形のお腹をさすっている。死と狂気はフードコートで交錯する。「砂の肖像」―ピンクのスター・ルビーとブルーのスター・サファイア。深々と赤く、深々と青い二つの宝石。M氏から送られてくる数々の美しい宝石。そこから見える一人の男の人生。言葉が輝き出す宝石のような短編集。
著者等紹介
稲葉真弓[イナバマユミ]
1950年3月愛知県に生まれる。県立津島高校卒業。1973年「蒼い影の傷みを」で女流新人賞、1980年「ホテル・ザンビア」で作品賞、1992年「エンドレス・ワルツ」で女流文学賞、1995年「声の娼婦」で平林たい子文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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