京都の平熱―哲学者の都市案内

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062138123
  • NDC分類 291.62
  • Cコード C0026

内容説明

古い寺社は多いが歴史意識は薄い。自然そのものより技巧・虚構に親しむ。けったいなもんオモロイもんを好み、町々に三奇人がいる。「あっち」の世界への孔がいっぱいの「きょうと」のからくり。

目次

東へ(京都駅に降り立つ;ラーメン文化 ほか)
北へ(清水の坂;京都は「古都」か? ほか)
西へ(下鴨―ここにも奇人伝説が;京都人のきわもの好き、新しもん好き ほか)
南へ(京の縦軸;生活世界の神仏たち ほか)
終着駅へ(旅の終わり;京都だけの問題ではない ほか)

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。関西大学教授、大阪大学大学院教授を経て、現在、大阪大学理事・副学長。専攻は哲学・臨床哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mitei

291
京都でもっとも営業係数の低い路線の206系統乗ってそこで出てきたものを拾って話を膨らますスタイルで地元民にはなるほどと思うことが多々。よそから見たら京都というのは掴みどころがないなぁと思った。考えてみれば京都って海に面していないのに100万人都市というのは他にないが相当なよそから惹きつける魅力があるのではないか?とも考えさせられた。2016/06/30

HANA

21
京都生まれによる京都をテーマとしたエッセイ。グレゴリ青山にしろ入江敦彦にしろこの著者にしろ、生まれた地について書いた文章は地に足の付いた感じで好きだ。住んでいる時分は自転車、最近は地下鉄が主な移動手段だった為気がつかなかったが、市バス206番ってこんなに重要なルートを通っているんですね。そこを巡る著者の視点は観光都市という仮面を剥ぎ取り、京都の持つ猥雑な部分を明らかにしている。そういえば京都で歩いていて面白いのは東寺近くの住宅街とか夕日に照らされた五条通とか、あまり観光に縁の無い所だったなあ。2012/07/17

まみ

14
わっしーこと鷲田先生の京都案内。寺社も花街も学問所も愉しみどころも、「聖性学遊」ぎっしり詰まった市バス206系統沿線を紹介する一冊ということで(私も206系統沿線に住むので)興味を持って読み始めたのだけれど、もちろんただの案内ではなく、都市の話、歴史の話、文化の話、現代社会の話と深く深く掘り下がっていく。すごくおもしろかったー!元総長、そして兄の同級生のお父さん(笑)という、あるようなないようなつながりでしか知らなかったわっしーだけど、他の著書も読んでみたくなった。2013/01/19

NOBU

14
京都人哲学者の鷲田さんが市バス206系統路線沿いに京都を語る。私自身が京都で過ごしたのはたった四年のみだが、その月日の密度の濃さで、心の故郷と思っている。しかも、四年間ずっと206系統沿いで生活してきたので、本書への思い入れも相当である。本書は「おもろい」。文中から「『おもろい』。これは、これまでの通説やそれらが依拠している基盤そのものを揺るがし、覆す徴候を見てとったときに発せられる言葉だ。」あまりのおもろさに、十冊位買って友達に配りたい程。ホンマです。全編のエピソード全てがスバラシイ。→ 2011/04/08

kumako

10
京都には大阪環状線みたいなぐるぐる周回する206というバスがあるのを知れただけでお得感ありました。その206沿いの観光案内というよりは、京都のひと・文化・建造物や自然を題材に著者が哲学を語る内容で非常に面白かったです。特に「京都人が余所者に冷たいと言われるのは、外部者の権力争いに巻き込まれ続けた歴史があるから細心にならざるをえなかった」の考えに膝をうちました。地図付きなので場所を確認しながら読めるのも気が利いている!2019/10/08

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