出版社内容情報
すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説
ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。
この身体とこの走路があればいい……。
「1本、1本、全力だ」
そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、鷲谷と戦うためだけでなく、何より、俺たち4人でチームを組めたことのために走りたいのだった。
「この決勝走れて、どんなに嬉しいか、言葉じゃ言えねえよ」
全3巻圧倒的迫力の完結編!!
第28回吉川英治文学新人賞受賞
2007年本屋大賞受賞
佐藤 多佳子[サトウ タカコ]
著・文・その他
内容説明
ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。この身体とこの走路があればいい「1本、1本、全力だ」。すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説。
著者等紹介
佐藤多佳子[サトウタカコ]
1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
144
まさにトップスピードまで出た感のある第3巻。凝縮されたような時を過ごす若きアスリート達のアツさに一気読みでした。積み重ねる努力、「いつも通り」の大切さ、認め合えることの尊さ。流されず諦めず、前を見つめ続ける強さを新二が手に入れていく姿にはゾクゾクしました。眩しくて、羨ましくて、自分も出来る事を頑張らなきゃ・・・って気分になりました。タイトル・装丁共に大好きだ!うん♪いい作品でした!!2010/06/14
七色一味
116
読破。読み始めたらゴールまでノンストップ。そんな、100メートル走のような物語ではなく(内容は短距離メインだけど)、登場人物全員が絡み合い繋がり合い、そして受渡していくマイルリレー/駅伝のような物語。駆け引きがあり、苦しみがあり、それでも後戻りはできない、ただ前へ───ゴールへ。やっぱり爽やかでどことなくセンチメンタルで胸の奥がじんわりと熱くなる、そんな物語です。(ネタバレ防止のため、雰囲気と読後感のみで構成)これは、後で絶対読み返したくなるな。2011/08/22
B.W.
116
マイルのような長さにも関わらず,四継のような疾走感で一気にシリーズ読了。陸上の魅力,チームの素晴らしさ,一本一本積み重ねていくことの大切がひしひしと伝わってくる。シリーズ通じて,いい仲間,いいライバル,いい先生,いい家族ばかり。しかもいい人々。読後の感じも爽やか。ただ残念なのは,本作で繰り広げられる物語は自分にはまぶしすぎる。この時代に得られなかったものが物語にはたくさんつまりすぎている・・・嫉妬してしまうほど・・・とにかく素晴らしい作品。これかも本作のような素晴らしい作品に出会いたい。「一冊一冊」大切に2011/05/26
mariya926
112
2007年本屋大賞作品。4年間陸上部をインタビューして書かれた作品だそうです。最後のインターハイがやって来ましたが、3年間ほぼ陸上だけを考えて生きてきた主人公だからこその感動です。上手くいく人、失敗してしまう人で、涙なしでは読めないです。ここで問題児も登場しますが、それも乗り越えられるチームに成長しましたね。私も3年間、今の勢いでテニスをしたらものすごく成長できるのではないかな?と夢を見せてもらいました。最後に…主人公の恋愛がどうなったのかがラストに出ているかと思って期待しましたが座談会でした(笑)2018/05/30
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
106
陸上競技にかけた高校生を描く3部作の完結編。舞台はいよいよ主人公たちのラストイヤーを迎え、いやがうえにも盛り上がるシチュエーションにどっぷりとつからされた。主人公の目線と皮膚感覚を通じて描きこまれた臨場感もハンパなく、まるで自分がそこにいるかのよう。喜びや悲しみを分かちあう仲間との一体感や、レースの疾走感を存分に味わわされた。それだけに、いつまでもこの雰囲気にひたっていたかったが、読み終えてみるとむしろ気持ちのいい達成感でいっぱい。出会えてよかった一冊だった。できれば、その後の物語ものぞいてみたい。2011/06/25