内容説明
夫婦ってなんだろう？愛でもなく嫉妬でもない、何かもっと厄介なものを抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう？傑作長篇小説。
著者等紹介
角田光代［カクタミツヨ］
１９６７年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。９０年『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞、９６年『まどろむ夜のＵＦＯ』で野間文芸新人賞、９８年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で９９年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、２０００年路傍の石文学賞、２００３年『空中庭園』で婦人公論文芸賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
58
【戌年に犬の本】テレビに出演した我が子のビデオを何より大事にし、郊外に家を買った記念に桜を植える。それは他人から見れば些細でいささか滑稽にも見えることだが、家族が家族になるための大切な儀式でもあった。そういう儀式が好きな房子の実家と、そういったことを一切しなかった夫宗二の実家の違いは、無いようでいて、実はかなり大きい。庭の桜も、実はほとんど登場しない犬も、どちらも、家族の大切な絆となる「家族の象徴」。房子と宗二も、何もないゼロから、ちゃんとした家族の絆を作っていけますように。2018/05/16
MINA
35
夫婦って何なんだろう。ある一定期間を過ぎると、例外は勿論あれど大抵は夫/妻に恋愛感情は無くなりあらゆる意味でただの運命共同体と化すのでは。空虚や虚無、諦観ばかり分かち合ったりするようになったりするのかもしれない。一緒にいても孤独で、明確に相手が嫌とかではないけれど自分がもはやどこにもいけないような心持ちになったりする。そんなことを読破して考えてしまった。房子と宗二、どちらの気持ちもすごく分かるような気がした。夫婦でいる意味って何なのかな。宗二が房子に手を差し伸べて房子が笑い転げているラストが凄く好きだ。2014/08/19
相田うえお
33
★★★☆☆ 登録忘れ。皆さんのを見てて、あらっ、これ読んでた！って思い出すんです。ありがたいことです。じゃないとすぐ、同じ作品をまた入手してしまうんで。。
Heart
32
読みやすい文章で物語は進んでいき、ラストは自分の好みの終わり方で良かった＊こういう夫婦、意外といそう。(*^^*)『その11 熊女あらわる』から、ラストにかけて面白かった。どこが、何が良かったかと聞かれたら答えるのが難しいけれど、雰囲気がとても好き＊江國香織さんのような雰囲気もたまに感じられました。(*´ー｀*)2016/04/25
佐島楓
27
ディテールがすごくリアル。やっていることが意味不明の夫婦とそれぞれの親世代の話がメインなのだけれど、意味不明といっても当人同士にとっては重要なことであり、人間みなそういうものだよな、と思う。それこそが、生活なのだと。2013/04/29
