内容説明
協銀広報部長・竹中の奔走で、どうにか統合発表に漕ぎ着けてから、わずか二ヵ月。中位行同士の統合プランにあとから割り込んだにもかかわらず、協銀は徐々に「本性」を現していく。このままでは協銀に呑み込まれると警戒を強める、あけぼの銀行がチラつかせ出した「合併離脱カード」。そして、合併担当幹部に降って湧いたスキャンダル。目先の主導権争いにあけくれ、大きな目標を見失っていく銀行マンの愚かさを、リアルに描き出す会心作、いよいよ佳境へ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
251
引き続き、統合に向けてのすったもんだが繰り返される。しかし、ここまで話のスケールが大きくなってくると、主人公や、その他登場人物の一挙手一投足に、強い意味が感じられず、神の見えざる手によって、なるようにしかなっていない。代わりにどこで話を膨らませるかといえば、人事や不倫話にならざるを得ないのか、児玉先生が腹上死してしまい、その愛人が竹中に粉をかけてくるが、結構な頁を割いているにも関わらず、そのくだりは何の発展も見せない。阿川頭取がどんどん嫌な奴になっていったり、とかく人間関係の移ろいやすさだけが印象に残る。2020/11/06
よしたけ
2
現実の3メガバンクに続く第4番目のメガバンクの設立に向けた道程。主役の竹中執行役員広報部長がいる同新メガの中心的存在となる協立銀行では、相変わらずドタバタが絶えない。時期頭取候補の不倫問題による辞任、過去の権力者カミソリ佐藤の息がかかった役員の躍進、などなど。重要な脇役だった大物フィクサー児玉は愛人の元腹上死というなんとも言えない最期を遂げる。もう少しまともな最期を見たかったが。。。次編は金融腐食列島最終話、メガバンク設立に向けた最終ランディングや直情的な頭取に愛想を尽かし始めている竹中の動向に注目。2020/06/07
半べえ (やればできる子)
1
★★★★★2013/09/02