網野善彦を継ぐ。

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  • サイズ B6判/ページ数 126p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062124539
  • NDC分類 210.01
  • Cコード C0021

出版社内容情報

その鍛えられた鋼のバトンを
「歴史は自分が語りたかったことを語り損なう」という視点から日本人の野性・欲望をつかみ出す作業に邁進した歴史学者・網野善彦の力わざから何を受け継ぐか、2人の思想家が決意を語る。

中沢「彼が人生としてきた仕事をとおして、破壊したり、創造したとても大きなものを、ぼくらがどうやって自分のなかに飲み込み、自分たちがつぎの時代に向けて何をなしうるのか」
赤坂「済州島や珍島を訪ねて、いろいろなものがすでに見えてきていて、おそらく網野史学というものを、そうした方向に向けて継承していくことができるんじゃないかなと」

<本書の内容>
●歴史の欲望を読み解く網野史学
●北へ、南へ、朝鮮半島へ広がる問題意識
●「天皇」という巨大な問題
●「東の歴史家」の意味
●何を受け継いでいくのか



中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
著・文・その他

赤坂 憲雄[アカサカ ノリオ]
著・文・その他

内容説明

「歴史は自分が語りたかったことを語り損なう」という視点から日本人の野性・欲望をつかみ出す作業に邁進した歴史学者・網野善彦の力わざから何を受け継ぐか、二人の思想家が決意を語る。

目次

1 歴史の欲望を読み解く網野史学(知の制度の中に単独で立った人;網野善彦への歴史学界の反発 ほか)
2 北へ、南へ、朝鮮半島へ広がる問題意識(民俗学へ、朝鮮半島へ;民俗学の欲望はどこへ行ったのか ほか)
3 「天皇」という巨大な問題(天皇という存在の深さ;天皇は山川草木すべてを支配する? ほか)
4 「東の歴史家」の意味(山梨という風土;西の歴史家と東の歴史家 ほか)
5 何を受け継いでいくのか(単独者の跡を追って)

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、中央大学教授。宗教学者、思想家

赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。現在、東北芸術工科大学教授。東北文化研究センター所長。民俗学者、思想家
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感想・レビュー

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はるわか

24
人類学や民俗学のような人間の無意識の思考や行為をめぐる学問と書かれた史料をもとにして行われる歴史学とをひとつに結びつけて新しい学問をつくりだそうという潮流に身を投じ、日本の歴史学に新しい可能性を大胆に切り開いてきた。学問の世界であんなふうに明朗な心を持った人は少ないじゃないでしょうか。「無縁・公界・楽」で網野さんは歴史家の共同体から突出してしまった分とてつもない孤独と、批判-反批判が際限なくくりかえされる苦労多い人生がはじまったわけです。「蒙古来襲」網野善彦という歴史家の孤立というよりは単独性、単独者。2018/01/13

市井吉平

3
■2004年に歴史学者網野善彦氏が亡くなれてからほどなくしてされた人類学者・哲学者?の中沢新一氏と民俗学者の赤坂憲雄氏による対談。網野善彦氏が取り組んだことを引き継ごうという対談。 ■印象に残ったのは、網野善彦氏が民俗学の知見も取り入れながら日本社会の歴史というか成り立ちみたいなものを深いところから探ろうとしたようだということ。 ■今、網野氏の著書にも少し手を伸ばし始めているが、その世界に触れてみたい。2021/08/04

Mentyu

2
歴史学における実証についての話が興味深かった。史料上に記載があることだけを述べるのが実証主義であるという見解に対し、そこに書かれなかった(書くことができなかった)事象についても実証主義で立ち向かうという網野の姿勢は勇気のいることだったと思う。石母田正が『中世的世界の形成』で述べた歴史学の想像力についての話と通ずるものがある。2016/12/27

まのん

2
網野さんの個人史を辿りながら追悼するつくり。「秀才は駄目だ」「現実というのは、いつも理解に抗うもので、理解されたものを否定していく力が強烈にはたらいている。この強烈にはたらいているものを、論理のなかに引き出してこない限り、マルクスのやったようなやり方で歴史を理解したことにはならない」2014/01/09

いちはじめ

2
故・網野善彦についての対談。赤坂憲雄はわりと好きなのだけど、網野善彦絡みだと、どうしてこうもつまんないのか?2004/07/27

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