江利子と絶対―本谷有希子文学大全集

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  • サイズ B6判/ページ数 201p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062119276
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

引き篭もりの少女・江利子と、“絶対”と名付けられた犬のコンビが繰り広げるぬるい日常を姉の視線から描く表題作『江利子と絶対』。頭髪に問題を抱えた中年男・多田と、その隣人の帰宅を生垣に潜んで待つ女・アキ子。ふたりの悲惨な愛の姿を過剰なまでのスケールで描き出した『生垣の女』。問題児でいじめっ子の波多野君と、その手下の僕と吉見君。3人の小学生が迷い込んだ、窓のない屋敷は…。手に汗握る殺人鬼との攻防を描く、ホラー傑作『暗狩』の3編を収録。

著者等紹介

本谷有希子[モトヤユキコ]
1979年7月14日石川県生まれ。高校卒業後、上京し演劇の学校に入学。2000年に自身が主宰・作家・演出家を務める「劇団、本谷有希子」を旗揚げ。2002年、ホームページで連載していた小説を読んだ編集者に声をかけられ、『群像増刊エクスタス』に「江利子と絶対」を発表。その後『群像』に活動の場を移し、約半年に一度のペースの公演の合間をぬって小説を執筆している。その他エッセイ、コラムなど文筆活動も展開中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

155
『江利子と絶対』…これ本谷有希子さんの作品だよなと思ってしまうぐらい、今村夏子作品を読んでるような錯覚に陥るような話。(デビューは本谷有希子さんの方が先だけどね)江利子のようなキレ方するのいそうだよね。ぶっ飛んでた。『生け垣の女』…これは読んでてしんどい。グロいというよりはエグい。オヤジ狩りや猫のシーンは、読んでてしんどい。クレイジーだ。『暗狩』…ホラーだわ。これも読むのがしんどい。香山の立場からみたら余裕かませすぎ。ガキども良く頑張った。以上、三篇の短編集。読むのに苦戦して読み終えてドッと疲れた。2023/08/29

たぬ

18
☆3.5 本谷氏7冊目。…いやしかし20代前半の女性がこれ書くって。しかもこれでデビューするって。収められた3作はどれもこれも胸糞。1作目のサイコパス江利子がほほえましくなるほどに残り2作が強烈。「暗狩」は殺される? いやまさか? でもこれまでの作風からして…と知らず知らず息を殺して読んでた。でも動物虐待は本当ダメ。無理。2020/08/26

りえ

14
表題作ほか二篇の短編集。登場人物が、どれもぶっとんでいて奇妙な行動が多かった。犬に絶対という名前をつける引きこもり女性、頭皮が悲惨な男性、窓のない家に住む殺人者。『暗狩』はすこし怖かった。小学生vs殺人者。小学生が殺されてしまう描写は痛々しい。2015/06/06

綿帽子

13
『僕の頭には余計なものが多すぎる。どれが素直な気持ちなのか僕でさえ分からなくなるほどに、自分で自分を嫌って、守って、慰めて、疑って、恥じて、取り繕って、軽蔑して、諦めた振りをする。』一見本谷さんらしくないホラー風味の『暗狩』だけど、ああ、この言葉は本谷さんの言葉だな、と思った。恐怖と共に味わう優越感はどんな味か。味わう必要の無いその感情はきっと私の中にも潜んでいるものなのだ。弱者が痛め付けられる描写が容赦なく、コミカルさを加えることである種の親近感でもって迫り来るからこそこちらの神経を抉られる感覚がエグい2015/05/18

さくちゃん

11
ぶっ飛んでるの一言に尽きるデビュー作の短編集。「江利子と絶対」と「生垣の女」は本谷ワールド全開で面白いんだけど、犬猫に対する仕打ちだけは読むのがしんどかったです。。「暗狩」も容赦のない展開が続く続く。好き嫌いが分かれそうな強烈な内容だけどちょっと癖になりそうです。2014/09/08

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