失敗学のすすめ

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062103466
  • NDC分類 509.8
  • Cコード C0037

内容説明

長年、大学で設計について指導している著者が痛感したこと。それは失敗といかにつき合うかによって個人の成長、組織の発展が大きく違ってくるということ。起きてしまった失敗に積極的に取り組んでうまく生かせば、その後の創造の大きなヒントにもなるし、また次にくる大きな失敗を未然に防ぐこともできる。反対に失敗を避けて隠していれば、成功もおぼつかないし、大きな失敗を防ぐこともできない。いま続発している企業不祥事や事故の多くも失敗に対しきちんと対処してこなかったのが原因だ。失敗の定義、種類から、正しい失敗の伝え方、生かし方、大失敗の防ぎ方まで。失敗を総合的にとらえた「失敗学」をやさしく解説する。

目次

プロローグ 失敗に学ぶ
第1章 失敗とは何か
第2章 失敗の種類と特徴
第3章 失敗情報の伝わり方・伝え方
第4章 全体を理解する
第5章 失敗こそが創造を生む
第6章 失敗を立体的にとらえる
第7章 致命的な失敗をなくす
第8章 失敗を生かすシステムづくり
エピローグ 失敗を肯定しよう

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろき@巨人の肩

110
失敗を体系的に理解して、失敗を活かすヒントが示されている。失敗には階層があり、無知、不注意、手順の不順守、誤判断、調査・検討の不足、制約条件の変化、企画不良、価値観不良、組織運営不良、未知に分類される。極論では、人類にとっての未知の失敗以外は、学習により予防できる。しかし失敗情報は伝わりにくく、隠れたがる。また単純化、神話化、ローカル化により変質し減衰するため、立体的に取られることが難しい。失敗の形式知化は、主観的なストーリーのもと、事情、経過、原因、対処、総括、知識化の六項目でまとめると良い。2022/07/04

Gotoran

24
過去の多くの失敗事例を科学的に分析し、一般読者向けに論理的に分り易く解説された本書。「失敗は新たな創造行為の第1歩である」との信念で、失敗と上手に付き合い巧く活用していくためのアドバイスに溢れる良書。失敗を恥とせず、真摯に向き合う在り方が肝要。積極的に表に出し、データベース化、共有化を行い、活用することにより、将来の重篤な失敗を防ぐことができる、またリスク管理にも結び付く。昨今の事故が多発する現代、より多くの方、世代を超えて読み継がれるべき書籍の1つ。失敗学は人の生き方にも適用可能だ。2013/04/20

小木ハム

22
中堅~幹部向けの本。失敗情報とは常に隠れたがるもの。だが他者の後学には役立つものである。失敗情報を知識化してデータベースを作る、失敗者を守るシステムを作る、失敗を積極的に開示する文化を作っていこうという主張。自分が以前勤めていた会社でもクレーム対応記録や不具合処置記録を残していた。しかし件数が多く予習は難しいと感じていた。データベースには必要な時・必要な情報を・必要な形で取り出せる、閲覧者を迷わせないシンプルさが必要。また、失敗に至るプロセス、心の動きも記しておくと担当者は"自分事化"しやすい。2021/07/31

毛利武良

21
☆☆☆☆ 客観的失敗情報は役に立たない。論理的思考のウソ。覚えておくべき言葉は多い。開発や製造など危険の多い現場にいる人だけでなく、家庭で親子が共に読む価値のある本だ。失敗を隠したくなる心理を理解した上で、失敗を批判し責任を追及するよりも、失敗情報を共有して発展を目指したい。そうした文化のある社会を作りたい。2014/05/08

こじみき

14
古いが名本。気になった文節に、本当に優秀な営業マンの条件の一つに、自分の会社のモノの流れをよく把握していること。というのがある。正直ギクッとしました。自社サービス、商品の魅力を伝えるためにも、自社のことを誰よりも知るというのは非常に重要なことですね。2018/12/26

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