内容説明
バスジャック、通り魔、てるくはのる、ニュータウン…。ぼくたちの夢と狂気を追った異色のルポルタージュ作品、誕生。
目次
夜明け前、孤独な犬が街を駆ける―一九九九年九月、残暑厳しい東京・池袋の白昼の繁華街で、通り魔殺人事件は起きた。
nowhere man―ワイドショー、バラエティ…、テレビの画面にかかるモザイクの向こうに何があるのか。
ともだちがほしかったママ―各紙が大きく報じた音羽幼稚園児殺人事件。当初、「お受験」がこの事件を解くキーワードと言われた。
支配されない場所へ―「てるくはのる」―奇妙な記号を遺して、容疑者は自らの生命を絶った。
当世小僧気質―「出家」がブームだという。人は何を“宗教世界”に求めるのか。
桜の森の満開の下にあるものは…―少女監禁事件を追って新潟・柏崎の現場へ。坂口安吾の文庫本をポケットにねじこんで―。
晴れた空、白い雲、憧れのカントリーライフ―青い空と緑の大地。都会人の多くは「田舎暮らし」に憧れる…。
寂しからずや、「君」なき君―二〇〇〇年五月に起きた、バスジャック事件の犯人も十七歳だった。「十七歳」は危険な年齢と言われているが。
「街は、いますぐ劇場になりたがっている」と寺山修司は言った―和歌山ヒ素カレー事件の主役の家は、解体の日も人垣ができて…。
熱い言葉、冷たい言葉―カルロス・ゴーンの号令一下、日産自動車村山工場が閉鎖される。従業員の暮らしは、家族は、どうなるのか。
年老いた近未来都市―デパートが撤退するニュータウン。アウトレット・モールがオープンするニュータウン。あなたはそこに暮らしつづけますか。
AIBOは東京タワーの夢を見るか―大ブームとなった“犬型ペットロボット”。彼もまた、ぼくたちの新しい「隣人」だ。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て著作活動に入る。’91年、『ビフォア・ラン』でデビュー。’99年、『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。その後も、『さつき断景』、『リビング』など、家族に焦点を当てた話題作を次々と発表し、2001年、『ビタミンF』で直木賞を受賞する。また、作家活動のかたわら、週刊誌のアンカーマンとしても活躍し、世の中を独自の視点から見続けている。そんな問題意識が『隣人』に結実し、初のルポルタージュ作品となった
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