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隣人

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062101400
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

バスジャック、通り魔、てるくはのる、ニュータウン…。ぼくたちの夢と狂気を追った異色のルポルタージュ作品、誕生。

目次

夜明け前、孤独な犬が街を駆ける―一九九九年九月、残暑厳しい東京・池袋の白昼の繁華街で、通り魔殺人事件は起きた。
nowhere man―ワイドショー、バラエティ…、テレビの画面にかかるモザイクの向こうに何があるのか。
ともだちがほしかったママ―各紙が大きく報じた音羽幼稚園児殺人事件。当初、「お受験」がこの事件を解くキーワードと言われた。
支配されない場所へ―「てるくはのる」―奇妙な記号を遺して、容疑者は自らの生命を絶った。
当世小僧気質―「出家」がブームだという。人は何を“宗教世界”に求めるのか。
桜の森の満開の下にあるものは…―少女監禁事件を追って新潟・柏崎の現場へ。坂口安吾の文庫本をポケットにねじこんで―。
晴れた空、白い雲、憧れのカントリーライフ―青い空と緑の大地。都会人の多くは「田舎暮らし」に憧れる…。
寂しからずや、「君」なき君―二〇〇〇年五月に起きた、バスジャック事件の犯人も十七歳だった。「十七歳」は危険な年齢と言われているが。
「街は、いますぐ劇場になりたがっている」と寺山修司は言った―和歌山ヒ素カレー事件の主役の家は、解体の日も人垣ができて…。
熱い言葉、冷たい言葉―カルロス・ゴーンの号令一下、日産自動車村山工場が閉鎖される。従業員の暮らしは、家族は、どうなるのか。
年老いた近未来都市―デパートが撤退するニュータウン。アウトレット・モールがオープンするニュータウン。あなたはそこに暮らしつづけますか。
AIBOは東京タワーの夢を見るか―大ブームとなった“犬型ペットロボット”。彼もまた、ぼくたちの新しい「隣人」だ。

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て著作活動に入る。’91年、『ビフォア・ラン』でデビュー。’99年、『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。その後も、『さつき断景』、『リビング』など、家族に焦点を当てた話題作を次々と発表し、2001年、『ビタミンF』で直木賞を受賞する。また、作家活動のかたわら、週刊誌のアンカーマンとしても活躍し、世の中を独自の視点から見続けている。そんな問題意識が『隣人』に結実し、初のルポルタージュ作品となった
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そのぼん

33
池袋の通り魔事件やお受験殺人事件、ヒ素入りカレー事件など、様々な事件のルポであり作者なりの考察みたいなのが書かれた一冊となっていました。図書館のノンフィクションコーナーで発見して興味を持しました。作者である重松清氏が事件を現場を取材しているような雰囲気で描かれていたので、読みやすく感じられました。日々様々な事件が報道されているので忘れてしまっている事件もあり『こんなに前の事件だったのか』と、驚くこともありました。2014/02/15

James Hayashi

19
小説でなくルポルタージュ。世紀末の12人の隣人がオリジナルタイトル。毒入りカレー、柏崎少女監禁事件、ゴーン日産社長と村山工場、著者の住む多摩ニュータウンと大型ストアなど時代を騒がせた事件を著者ならではの見方でルポ。後半に言及しているが、藤原新也の東京漂流を意識している。発行より15年経っていることと、あまり書き込んだ印象はなく、通常その後を調べたくなるがそれもなかった。2015/02/14

スノーマン

19
ノンフィクション作家ではない作者が、実在する事件や犯行に対して想像を膨らませた。限界はあるが、そもそも普通の人間には、その想像自体が乏しいので報道されていることにいちいち影響を受ける。もはや忘れかけていた、世紀末に起きた様々な事件もこうして読むと当時の生々しい記憶が蘇りぞっとする。加えて事件からインスピレーションした小説の引用がいい味を出している。小説家ならではの一冊。2013/10/20

かめぴ

10
小説かと思ったらルポルタージュ、的な感じよりもやはり小説家が書いた小説的ルポルタージュ、小説のクセが強い。。まず「隣人」にも色々いるが凶悪事件から寂れたニュータウンて、これ何括りなんだろうと思う。そして読点が多くて読みづらい。う〜ん、なんだろう…勿体ないと思ってしまった。2018/11/23

あじさい

8
12の事件や事柄を追った作者初のルポルタージュ。作家だからかな?センチメンタル的な文章が鼻につく。加害者にも事件を起こす背景があったのも充分理解できるのだが、犯罪被害者、または遺族にとってセンチメンタリズムな文章は辛いと感じた。でも、良い本だった。2013/01/06

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