目次
1 あたたかい死へ(子供に天国について話す時;ガンを暗いものでなくすために;生き方と豊かなる死;死にゆく人に視点を移して)
2 人間の復権へ(人生を視野に入れた闘病支援;ガンを体験した医師の眼;インフォームド・コンセントを考える;患者中心の発想法)
3 人生の完成へ(家で死ぬことの意味;豊かな「生と死」へのセンター構想;「二人称の死」を視野に)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みみっちい二十九
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「人は、三人称の死に対しては冷静で客観的でいられるので、精神的ないのちの側面を見落としがちです。身体、臓器、細胞、遺伝子といった、モノとして見える範囲でのいのちしか、三人称の眼には映りません。例えば、アフリカで百万人死んでも、私たちは、ご飯が喉を通らなくなるわけではない。しかしこれが二人称ー愛する連れ合いとか子供の死となると、一人のいのちであっても、自分の人生に壊滅的な打撃を受ける可能性もあります。」「二十年であれ、八十年であれ、また職業が何であれ、一人の人間がこの世に『生きた』ということは、大変なこと」2014/12/15