内容説明
高校生の通学列車で「戦争」が勃発、。その顛末の“エクリチュール”を読み解く悦び。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春が来た
27
Y県不良学生のすっぺっただのこっぺっただのを、これまたまどろっこしい文章で、ひたすら硬派に描かれてる最上級のわけの分からなさ言語的アクション。Yだのワイだの猥だのがアルファベット文字的自己同一性を失う。…はぁ、分かりません。これが跳躍力不足ってやつ。それでも最後まで読んだ私は偉い!いや、こったごど なんぼにもわがんねくて なんだもねぇべ と思わせながら最後まで読ませた阿部和重が偉いのだろう。なんだかんだで後半は一気読みだったし。この本で、積読阿部和重がなくなるため新たな1冊を補充した私はなんなのだろう。 2021/02/06
Disコ
4
再読すると評価がすごくあがることが多いので再読。うーむいまいちピンとこず。またいずれ再読2016/01/07
不純
2
最初は何を言っているのかよくわからなかったが、結局は高校生同士の敵対の様子が書いてあるだけで、それが真剣に、大仰に語られているのが面白く見事に引き込まれる。しかし、背景や経緯を事細かく語られているのに、最後まで事件の概要が雲をつかむようにはっきりとしないのは僕の読み込みが足りないからかな・・・?2013/05/24
ゑこびす
2
冒頭からしばらくの間(当分の間)、 まどろっこしい位に観念的理屈のこねくり回しが展開され、 阿部和重的世界に慣れていない人には面白くないかもしれない。 いや、読むのをやめてしまうかもしれない。 しかし、阿部和重好きにとってはたまらない。 彼の文章にはリズムがあると思う。 リズムに乗ってサクサクと読み進む。 終盤にかけて比較的わかり易いストーリーが中心となり、 最後は、ほぉ!、と最初の部分をもう 1 度確認のために読み直した。 非常に面白い作品であった。 途中でギブアップするのはもったい2010/09/07
聖月
2
◎思索哲学論的な作文作法に慣れ親しんでいない人には、中々入り込めない、また読み込めない、硬い文章が綿々と綴られていくのだが、よく読んでいくと、嘘くさいロジックの展開に笑いたくなるし、作者の真面目くさった、それでいて言葉遊びでしかない論旨の展開に、阿部ちゃん!あんたもようやるねえ!と思ってしまう評者なのである。2005/01/23