内容説明
人間は資本主義の中心にいるのか。この世に富を生みだしてきたのは本当に人間であったのか。「ノアの洪水以前」から価値体系と価値体系との間の差異を媒介してきた資本主義について明快に語る。
目次
1 資本主義と人間を語る(差異と人間;進化論と経済学;「法人」と日本資本主義;ニッポン人)
2 『貨幣論』を語る(マルクスの逆説;貨幣・言語・数)
3 歴史と人間を語る(「百姓」の経済学;帰ってきた人間)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ishii.mg
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対談講演で読みやすし。貨幣・資本主義の始原についての考察は言語・数学との対比でなるほどと。柄谷との対話はスリリングだが難解。欧州のユーロできる前?の会話で今となっては現実とのズレはしかたないところ。網野との対談がノッテいる対象をどの視点からみるか。歴史のパラダイムを作り直すというか壮大な話だ。最後はなかよし夫婦漫談でここまで文学を語れるのはすごいところ。近年アメリカの高等教育研究(だけ)を優れたものとして追随する傾向があるが、そこは笑い飛ばすところでしょ、というところを直線的に受け止めすぎ。2021/05/13