内容説明
19世紀前半、怪奇趣味流行の西欧で信じられていた地獄思想や悪魔憑き、そして幽霊から妖精、迷信までを挿図を交えて辞典形式で解説した奇書の初抄訳。
目次
魔女裁判官ジャン・ボダン
神殿騎士団事件
火刑法廷
尼僧エリザベートの悪魔祓い
オーソンヌの“同性愛”修道院長
シドウヴィルのポルターガイスト(騒霊)
魔女裁判官ピエール・ランクル
ルーヴィエの修道院の醜聞
ジャンヌ・ダルクの“妖術裁判”
チフォージュ城の青髭ジル・ド・レエの生涯
妖術裁判の犠牲者
サン・クロードの狼狂事件
狼少年ジャン・グルニエ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tama
10
県立図書館からお取寄せ ちょっと調べたいことがあり、ほんの目を通しただけ。悪魔や地獄に魅入られたのではないです。まあ、何とも物凄い本です。辞典ということですが、妙に物語になってるところとか面白いからゆっくり読みたいけど、中古本でも全然安くなってないどころか値が上がってたり!ちなみにキツネは「日本の神道者は邪悪な者の霊魂が悪魔であると信じ、それは狐の身体に宿る」として(どこで調べたんだ?)出てくるけどタヌキは採りあげられてない。2019/02/01
行加
10
図書館が彼氏だった(…)高校時代に、図書館で何度も借りました(^_^;) その後、古本屋で見つけ入手! 水木先生の妖怪たちが、この本のイラストを元にされてて、それを見つけるだけでも楽しいですv 「辞典」としては、正確性には欠けますが、日本についての様々な勘違いも、時代背景を考えれば、それはそれで面白いですねv2015/04/18
KAZOO
8
これは抄訳で約十分の一にあたるそうです。もう少し訳してほしいと感じるところがありますが、コストとの絡みなのでようね。日本でいえば荒俣さんや京極さんが研究しておられる分野と重複するのだと感じます。挿絵も多いのですが、これもカラフルにしてもらえばもっと面白いものになったのでしょう。2013/09/10
ピリカ・ラザンギ
5
1863年に書かれたオカルト辞典(の抜粋)。作者が熱心なカトリックになった人物なため、記述にかなり偏りがある。訳者のあとがきを先に読むことをオススメする。同じような話が名前を変えて出てくるので正直飽きる。日本の山伏などが出てくるのは笑ったが。作者が嘘と断じたり、逆にこれは否定できない、という基準が良くわからないw全部オカルトじゃないか・・・。中途半端に科学よりなオカルトが妙。2011/09/02
myung
5
言わずと知れた金子一馬氏が影響を受けた本。悪魔の体系的辞典というよりは、当時の世界中の迷信やヨーロッパの魔女狩りなど、風俗がうかがい知れる幅広い本だと思う2010/07/24