出版社内容情報
『ねじまき鳥クロニクル』第三部完結篇。
壮大なる物語は、この「鳥刺し男編」で、完結する。
この作品は、それまでの村上作品とは決定的に異質なもので、自律性をもっている。
読売文学賞受賞作。
村上 春樹[ムラカミ ハルキ]
著・文・その他
内容説明
ねじまき鳥クロニクル第3部「鳥刺し男編」を収録。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
19
再読なのに既読感がないのが不思議。以前に書いたコメントには、物足りないと書いてたけれど、今回も同じ。でも、読友さんは、みなさん高評価。不思議だと思いながら、このコメントを書いている。村上さんは解題で「世界には解けない謎がある」「その謎はより強く追及されなくてはならないということが、この本の主題」「謎を解こうすると、不可避的に暴力性が生じる」「暴力、悪なるものの存在は、誰にも否定することができない」と書いていて、そういう意図の小説だったのかと思ったのだけど、目的は達したのか?疑問だなあと思ったのでした。2022/11/02
ラウリスタ~
9
井戸っていうのは気に入った。でも、なんとなく、春樹のなかでは傑作ではないんじゃないかって印象はある。ただ長い作品が合わないだけかもしれないが、おそらく『1Q84』ほどの評価は受けないんじゃないか?まったく春樹の評価は知らないので、個人的な感想ですが。春樹は細部がいい。出口のない路地、井戸、鬘。後書きを見る限り、ねじまき鳥以降の春樹は以前よりも、アンがじぇしてる。その仕方がまだなれていないのか、さほど優雅ではないかも。もしかしたら、初期からのファンは、とまどったりしたのだろうか。2012/11/04
naoyu
6
ねじまき鳥クロニクル三部。う~ん、二部までは面白かったんだけどな。なんか、急に面白くなくなった感じが。2015/02/18
takizawa
6
「第三部・鳥刺し男編」を収録。気付きは3つ(ネタバレしません)。①主人公は混とんとした世界のなかで物事に意味を与えることに成功した。②どんなに社会と関わらずに生きていたとしても,生まれるずっと前に起こった歴史の因縁から逃れることはできない。③暴力的な衝動が一人一人の心の奥底に眠っていることがある。2011/04/13
法水
5
『ねじまき鳥クロニクル』第3部を収録。刊行時の記憶があまりないんだけど、第3部は後から書き足されたものだったのね。今読むと最初から3部構成にしていたとしか思えないし、逆に当時読んだ人は第2部までですっきり読み終えられたんだろうかと思ってしまう。巻末の村上春樹さん自身による解題が実に興味深く、文庫で読んだ人もこれは読んでおくといいと思う。2020/03/19