講談社文庫
庖丁ざむらい―十時半睡事件帖

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061840980
  • NDC分類 913.6

内容説明

黒田藩の要職を歴任して、いまは隠居の身の十時半睡だが、藩の生き字引として尊敬を受け、藩士にからんだトラブルの相談がしばしば持ちこまれる。刀剣マニア同士の悲喜劇、ノミの夫婦にまつわる騒動など、泰平の武士の人間的な側面に対して半睡は、経験にもとづくさばけた“十時さばき”をしてみせる。現代にも共感を呼ぶ時代小説の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TheWho

16
海を題材にした歴史小説家が描く、1974年から2003年迄書き継がれた短編連作人情時代小説で全7巻の「十時半睡事件帖シリーズ」の第1巻。江戸時代後期の福岡藩で要職を勤めて隠居するも総目付として再任用された主人公の十時半睡が、藩内で起こった騒動を穏便にかつ優しく淡々と対処する落語の様な趣がある11編の人情小話。各編共に中級下級武士や足軽の悲哀や町人の逞しさが描かれる情感溢れる一冊です。次巻の展開が楽しみです。2016/01/31

タツ フカガワ

15
11話の連作。表題作は食道楽にハマった藩士の騒動。「鉋ざむらい」は指物師も顔負けの腕を持つ藩士の失踪騒動などいろんなトラブルが、福岡藩黒田家の総目付十時半睡(ととき・はんすい)に持ち込まれる。海洋冒険ものが多いと思っていた作者にこんな軽妙なシリーズがあるとはうれしい驚きでした。2019/10/23

fseigojp

13
いわゆる暖炉探偵もの 炉辺で推理し指示をだす 粋な裁きの鮮やかさ2015/08/20

Ribes triste

12
福岡藩 総目付役 十時半睡事件帖 第1巻。一度は隠居した身の上なれど、藩内では知らぬ者なしの切れ者。藩内に起こる揉めごとを解決していく。ローカル色が出ているのも楽しい。時代劇ではありますが、どこか現代の人の心のあり方に通ずる所もあり、ほろ苦くも暖かい物語でした。2018/03/02

ソババッケ

11
 シリーズ初作。11の連作短編。福岡藩52万石、半睡は一旦隠居したが、藩に乞われて「総目付」に就いている。職掌柄、半睡のもとへは、藩士、足軽など家中の私的な揉め事が持ち込まれてくる。趣味にのめり込んだ男、足軽を私的に酷使する男、禁制のふぐを料理する男、酒癖のある男、吝嗇な男、などなど。福岡というローカルな舞台ではあるが、このような家中の事件を活き活きと描いた作品は初めて、藤沢周平の作品のなかにも記憶がない。20年前頃、NHKでドラマ化された物語の原作だが、現代に通じる斬新さ。残りの6冊が楽しみ。★3.82016/02/23

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