講談社文庫<br> 村が消えた - むつ小川原農民と国家

講談社文庫
村が消えた - むつ小川原農民と国家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061834439
  • NDC分類 916

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

CTC

2
単行本80年潮出版、85年講談社文庫(現在は絶版)。読売退社9年目、吉展ちゃんの『誘拐』(77年)、金嬉老の『私戦』(78年)などと同じ頃、著者第一絶頂期の作品。 73年に「国家的」巨大開発(石油危機で頓挫し…実際には93年に核燃料再生工場が起工)によって“村が消えた”六ヶ所村上弥栄地区を描く。満蒙引揚者らが、四半世紀かけて築いた同地区。満蒙開拓じたいも、東北の貧しい小作農が国策で「万里の長城のように、生身を弾丸よけに使われ」た事実。敗戦、そして満蒙より辛い当地への入植…。丹念に重ねられる筆に圧倒される。

さっと

2
何とも刺激的なタイトルである。舞台は青森県六ヶ所村。はて、六ヶ所村と言えば核施設があるところで村自体は存在しているのでは・・と読み進めれば、国の開発の名の下に、確かに一度、開拓農民の拓いた「村が消えた」のであった。多くの紙幅がさかれるのは開拓農民の哀史である。戦時中は満洲移民、敗戦後は過酷な引揚体験を経ての緊急開拓。国の奨励を受けてのビート栽培や稲作は農政の転換により水泡に帰し、戦後開拓の収束期には積極的な離農処置。安定的な営農をもたらすかに見えた酪農も肝心の土地が「巨大開発」の場となり農民は姿を消した。2013/01/06

sasha

1
昭和初期の大凶作、満州開拓、そして戦後の開拓事業。農業で懸命に生きようとした人達はころころと変わる農政と国家的事業という名の詐欺的行為で土地を追われて行く。信じたのに裏切られた…。これが国が国民にして来たことだ。2011/03/26

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