• ポイントキャンペーン

講談社ノベルス
エコール・ド・パリ殺人事件―レザルティスト・モウディ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 305p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061825857
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

モディリアーニやスーチンら、悲劇的な生涯を送ったエコール・ド・パリの画家たちに魅了された、有名画廊の社長が密室で殺されるが、貴重な絵画は手つかずのまま残されていた。生真面目な海埜刑事と自由気ままな甥の瞬一郎が、被害者の書いた美術書をもとに真相を追う。芸術論と本格推理をクロスオーバーさせた渾身の一作。

著者等紹介

深水黎一郎[フカミレイイチロウ]
1963年山形県生まれ。慶応義塾大学文学研究科後期博士課程修了。在学中に仏政府給費留学生としてフランスに留学。ブルゴーニュ大学修士号、パリ大学DEA。2007年、『ウルチモ・トルッコ犯人はあなただ!』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。現在大学教員兼作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

99
芸術探偵シリーズ第一弾。絵心全く無く美術館苦手な自分でも十分に楽しめた一冊。エコール・ド・パリという第二次世界大戦前を生きた悲劇の画家達のエピソードと、まさにそれを執筆するまでに魅了された有名画商の密室での死。どちらかと言うと、あまり盛り上がらないミステリー部分よりも、芸術の生まれた背景や人間模様の薀蓄が面白い。読者への挑戦もあって迎える終盤での真相解明にはなるほど。ただ、とにかく上手過ぎて、平たく読んでしまったのが残念…贅沢な感想だが、伏線もばら撒かれ過ぎると、気付きや驚きが薄くなってしまうのか…2017/10/13

ダイ@2019.11.2~一時休止

78
芸術探偵その1。美術ミステリー。作中作も伏線となっておりウンチクだけではなくてイイ。2014/03/23

keroppi

46
有名画廊の社長が密室で殺される。エコール・ド・パリの画家達に魅了されていた社長は、本も出していた。その本の記述と、殺人事件が交互に綴られる。どう繋がってくるのかなと読み進めたが、そう繋がってきたかと感心した。それぞれの心理的な部分は?のところもあったけど。絵はネットで確認しつつ読み進め、芸術論と本格推理を楽しめた。2017/06/17

キムチ27

42
読みたかった、しんどかった~複層の筋を並行して処理するおつむになっていないことが辛い。殺人事件のコアは男のエゴイズムに螺旋状に絡まる歪んだ愛情と芸術の追求、その方法論の相克。いかにもの体で語り続ける被害者の論説を底層音もしくはカラーのように展開させる。捜査を指揮する刑事、海埜。彼の考えを好むと好まざると引き出す狂言回しの役をするのは優秀な甥、瞬一郎。エコール・ド・パリを体系的に論じた本はなかったというのが執筆の一つの動機らしいが、その論評だけで十分楽しめた。2015/06/30

Zann

33
★★★☆☆『エコール・ド・パリ(パリ派)』という時代の美術書と密室殺人ミステリーの融合な一冊。絵画の知識がほぼない読み手の私だが、被害者の作中作という形で挿入された美術書がわかりやすく説明してくれる。ミステリー部分に目を向けると、鍵の掛かったドアと窓、しかも窓には血痕が塗り込められ開けることができないはずの窓の下には逃げた足跡。古き良き時代を模った様な名探偵。読者への挑戦状と情緒深いラスト。こんなにも素敵な推理小説を前に「あー、金平糖食べたくなったな」って感想しかない私は読者として三流なのだろう。(47)2022/05/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/487589
  • ご注意事項