内容説明
邪悪な力を持つ霧の城は角の生えた子を生贄として求めていた。イコはしきたりに従い、霧の城へ。そこで檻に囚われた少女を発見したイコは、彼女を助け出すがその手を握ると何故か彼の頭の中に様々な幻像が…。不思議な力を持つ少女・ヨルダは何者なのか?そして囚われた理由とは?運命に抗い、謎が渦巻く城からヨルダとともに脱出するため、イコは城主と対決する。
著者等紹介
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1959年東京都生まれ。’87年『我らが隣人の犯罪』でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。’89年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞、’92年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、同年『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、’93年『火車』で山本周五郎賞、’97年『蒲生邸事件』で日本SF大賞、’99年『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞、’02年司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞、’06年『名もなき毒』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
83
ゲームのような作品だと思ったら、ゲームが元になっていたのですね。あまりゲームをやらないせいか新鮮でした。謎が渦巻く城からの脱出、めくるめく幻想、手に汗握る対決と作り込まれた感がありますが、それが逆に面白さと繋がっているのが流石宮部さんといったところでしょうか。原案があるとはいえ、世界観は宮部さんそのもののように思えます。2017/12/16
よっしー
27
宮部みゆきさんの「ICO」読了。ゲームのノベライズ作品。頭に角が生えた子を『霧の城』に贄(ニエ)として捧げる決まりがある小さな村から物語が始まる。ニエの少年イコは十三歳で「贄の刻」を迎える。親友のトトはイコを助けるため、ある作戦を考えるのだが。。宮部さんが中世ヨーロッパのような世界観を造り上げてます。幼いイコを育て上げた村長の嫁オネやニエを霧の城まで送り届ける神官団の言動、謎の少女ヨルダ、霧の城内部の描写など、雰囲気があり良かったです。強いて言えばラストはもっと村人とイコの絡みが見たかったなぁ。2021/01/31
ぶんこ
27
同名のゲームの小説のようですが、日本版「ハリーポッター」のような少年の勇気と知恵が試される冒険の数々。なんでも石にしてしまう女王と、その娘。国を守る為には、生贄を強いる権力者。 はらはら、どきどきの連続ですが、私にはいまいち。
佐島楓
20
原作ゲームは未プレイ。王女ヨルダが守られるだけの存在ではないのが良いし、そこに宮部さんも惹かれたのではないだろうか。彼女が背負う運命はつらく、悲しい。残酷な背景を持つ少女という存在がほかの宮部作品にも通じるところがあり、独自の世界になっているように思えた。2012/08/06
シオウ
16
同名ゲームのノベライズ。巨大で恐ろしい力を持つ女王に怯える人々は、彼女が望むままに生贄(ニエ)を捧げ続けてきた。ニエとなった少年イコは女王の住まう霧の城へと送り込まれ、不思議な力を持つヨルダに出会う。イコはヨルダと脱出を試みるが…というよくある感じのファンタジー。しかし、ヨルダの過去やニエの使命などは結構ハード。時折ギリシャ神話に出てくるような残酷さがある(伝わるかな)。情景描写が合わなかったのか、風景や動きがイメージがしづらく読むのが辛かった。感想は「ようやく読み切れた」。2021/03/30