内容説明
豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか?黙秘する犯人。押収された手記から被害者を特定する表題作の他、本格の粋を極めた全4編。頭脳も美貌も態度もスーパーな安楽椅子探偵、吉祥院慶彦の名推理。
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』で作家デビュー
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感想・レビュー
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雪紫
61
パット・マガーを最近読んでるので借りてみたが、かなり毛色が違うし「慟哭」とイメージが違うこと・・・。ともすれば「僕の考えた最強の推理作家探偵」感のある吉祥院先輩を推理力以外でも傍若無人や桂島くんとのやり取りで、馴染ませる感よ・・・。表題作以外の好みは先輩がかつて解決した事件をモチーフにしたミステリで仮名にしたその先輩を探す「探偵は誰?」。いや、これはシチュエーション時点やら桂島くんの挑み具合で勝ってるでしょ。でも先輩の著作より事件後百合小説家になった関係者の作品がどういうのか気になるのよね(笑)。2023/07/27
b☆h
44
倒叙ミステリーの連作短編。頭のキレる作家である先輩と、刑事にも関わらずイマイチパッとしない僕。僕が持ち込む事件の謎を解き明かす経緯も楽しめたけど、二人の掛け合いが絶妙でついニヤニヤしながら読んだ。作者の作品は昔読んだきりだったから、こんな作品もあったんだと新発見した気持ちになった。最後の短編ではすっかり騙されたけど、悔しさは全くなく寧ろ爽快ささえある読後感。2022/09/05
Satomi
40
捜査一課刑事の桂島とイケメン人気作家の吉祥院が事件解決に挑む連作短編「被害者は誰?」「目撃者は誰?」「探偵は誰?」「名探偵は誰?」の4話!!肩肘張らずに気軽に楽しめる軽~いタッチの易しいミステリー!!桂島と吉祥院のキャラもイイし、コミカルな掛け合も小気味イイ♪こういう雰囲気、大好物♪2015/02/02
つたもみじ
30
貫井さんにしてはライトなテイスト。連作短篇集。表題作『被害者は誰?』豪邸の庭から白骨死体が見つかり、その家から犯行に至る手記が見つかる。その手記を元に被害者を推理する。どの話にもユーモアと騙しが隠されていて、うわまた騙されたーの連続。典型的安楽椅子探偵、吉祥院慶彦は頭脳、美貌、態度も全てスーパーでありつつどこかゲスい。なので、ラストの『名探偵は誰?』で、え?ってなって、うわまたまた騙されたー!! という流れに気持ち良さすら感じた。軽いと思って楽に読んでいたら騙されまくった一冊でした。2014/04/13
銀河
30
おもしろかった。4つのお話、全部最後までわからなかった…。この手法に、また騙されたか!とちょっと悔しい話もあったけれど、何も考えず楽しんで読めて最後に驚く、この流れに満足。「被害者は誰?」の被害者候補の三人、揃いも揃って憎たらしい。殺したいほど憎んだ気持ちがよくわかって、こういう描写が上手いと思った。2012/09/09