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講談社学術文庫
夏王朝―中国文明の原像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 323p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598294
  • NDC分類 222.02
  • Cコード C0122

内容説明

中国の古代国家はいつ誕生したのか。『史記』に伝えられながら近代歴史学によって存在を否定された夏王朝。殷に滅ぼされた王朝とは伝説だったのか。しかし古典籍の徹底的な洗い直しと考古学の最新の成果により、二里頭を最後の王都とし高度な文化をもつ中国第一王朝の実在は確実となった。四〇〇〇年前とも考えられる最古の文明と文化を検証する。

目次

プロローグ 中国のルーツを求めて
第1章 伝説の時代
第2章 夏王朝は実在したか―伝説と実史のはざま
第3章 考古学からの探索
第4章 王権の誕生
第5章 二里頭文化の生活
第6章 中国的世界の形成
終章 実在した夏王朝
学術文庫版「補論」―夏王朝研究の現在

著者等紹介

岡村秀典[オカムラヒデノリ]
1957年生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。京都大学人文科学研究所教授。京都大学博士(文学)。専攻は東アジア考古学。2000年、第13回濱田青陵賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

64
巻末の「学術文庫版「補論」」が重要。単行本発行後の発掘や新発見にもとづく議論を展開する。基本的に「夏」の存在を認めながらも、殷とともに王朝名がなかった可能性(平勢隆郎の唱える説でもある)にも言及。考古学的には、殷に先行する勢力の存在はわかっても、文字資料がない以上、禹や桀の実在は証明できないことが述べられる。伝世文献や出土した竹簡によっても、それが戦国期以後の成立であるために、「夏王朝」の実像にはなかなか迫れないようだ。文庫刊行から13年。今現在の段階で、どこまで解明できたかを知りたいと思う。2020/11/18

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

9
原著は2003年、この文庫は2007年刊。著者の専攻は東アジア考古学。放射性炭素法による年代推定、金属の炭素安定同位体法から産地を特定する等科学的手法による研究成果を踏まえた内容となっている。 思うに、『殷-中国史最古の王朝』では『史記』の夏本紀の記述が二里頭文化と食い違うから夏王朝は実在しないと主張しているが、そもそも同書でも『史記』殷本紀の記述と二里岡文化とが食い違う箇所が多々ある訳で、自己矛盾している。よって夏王朝が実在していなかったとはいえない。→2023/09/22

おらひらお

5
2007年初版。しばらく伝説上の王朝であった夏について、文献と考古資料からアプローチした一冊です。遺物の実測図に関する日中間の差について少し感じるところがありました。2015/03/01

BIN

3
夏王朝について、史書による伝説と考古学による調査についてまとめられている。第3章の考古学が秀逸。殷に関する発掘調査もあるので、殷について学ぶのにも良い。夏王朝の成立は紀元前2070年と公的に決めたとあり、具体的だったので、そこまで正確にわかったのかなと思っていたら、言うほど正確にはわかってないようだ。それにしても放射性炭素年代測定の威力は凄まじい。2013/06/18

Oltmk

2
古代中国の夏王朝の古典籍と考古学による知見をまとめた良書。考古学の部分は夏王朝と比定されている二頭里文化による研究がメインで、データの駆使によって夏王朝=二頭里文化なのかを明示している。殷王朝についても触れられているが、前身である先商文化については触れられていない。しかし、夏王朝の研究については初心者向けとしても優れているため、お勧めの名著だと思う。2015/05/06

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