出版社内容情報
自身の心に向かって思念し、心内の軋み・分裂・矛盾をごまかすことなく真摯に生きた哲人皇帝の魂の声。2世紀後半ローマ皇帝となったマルクス・アウレリウスはまたストア派の哲学者でもあった。万有は神的理性(ロゴス)に統率されるという合理的存在論に与する精神構造を持つ一方で、文章全体に漂う硬質の無常観はどこから来るのか。自身の心に向かって思念し、心内の軋み・分裂・矛盾をごまかすことなく真摯に生きた哲人皇帝の魂の声。碩学による待望の新訳。(講談社学術文庫)
第1巻
第2巻
第3巻
第4巻
第5巻
第6巻
第7巻
第8巻
第9巻
第10巻
第11巻
第12巻
マルクス・アウレリウス[マルクス アウレリウス]
著・文・その他
鈴木 照雄[スズキ テルオ]
翻訳
内容説明
二世紀後半ローマ皇帝となったマルクス・アウレリウスはまたストア派の哲学者でもあった。万有は神的理性に統率されるという合理的存在論に与する精神構造を持つ一方で、文章全体に漂う硬質の無常観はどこから来るのか。自身の心に向かって思念し、心内の軋み・分裂・矛盾をごまかすことなく真摯に生きた哲人皇帝の魂の声。碩学による待望の新訳。
著者等紹介
鈴木照雄[スズキテルオ]
1918年生まれ。京都大学大学院修了。ギリシア哲学専攻。関西大学教授、大阪市立大学教授、神戸学院大学教授を歴任。大阪市立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまさん
34
心に銘記せよ、次のことを忘れるな。ひとつの行為をするごとに自問せよ、おまえは何を欲しているか。そんな命令形の連続は人を不快にさせない。それは他者に向かって声高に呼びかけるものではなく、ローマのこの哲人皇帝が自分自身に言い聞かせていた言葉だからではないか。自分の心を掘り起こして向き合えばいい。自分で考えるための最大の励ましだと思う。生きられる歳月が百年であり千年であるとしても、現在を生きることに変わりはない。この現在が最期の時であるように、自然にしたがって心ほがらかに生きよう。思考の源泉としての座右の書。2018/12/08
加納恭史
27
世間の評判とは違った印象を受ける。何と東洋的な諸行無常の語り口。中国の故事「栄誉栄華は一睡の夢」とは。ストア哲学とは自然の摂理を重視する。自然は万物に調和する。自然の背後には神、理性が働いている。これはスピノザに通じる汎神論であり、驚いた。この本でマルクス・アウレリウスは己はローマ皇帝であるとともにストア派の哲人であると言う。彼の哲学の師はストア哲学のルスティクスであった。このルスティクスがマルクスに贈った書物はエピクテトスの「語録」であり、彼に決定的な影響を与えた。エピクテトスは後期ストア派の第一人者。2023/09/06
Tomoichi
22
ローマ人の物語を読み始めた頃に購入。マルクス・アウレリウスという皇帝を正直評価していないのでその後本書を買ったことを後悔。読んでいない本が溜まってきたので読み始めるがこれまた苦痛な代物。哲人か何か知らないがこんなことを夜な夜な書いている上司なんて嫌だ。やっぱり予想通りの二流皇帝。なんやかんや言いながら死後の名声を気にして書いてるよ、絶対。皇帝は哲人である必要はない。政治家です。2019/04/15
Homo Rudolfensis
18
一ヶ月かけて読みました。言わずと知れた、ローマ皇帝マルクスの著作ですが、おそらく誰かに見せるために書いたわけではないので、ストア哲学の観念や用語、時代背景など、2000年後の読者への配慮は欠片もありませんし、そういった知識がなければ本書を理解することは難しい、と解説にはあります。ストア派について無知な私は、公人として善く生きよ、だったり、死を受け入れよ、といったストレートに書かれた部分しか分かりませんでした。この本の真髄をしゃぶり尽くせた、とはとても言えないのでまた時を置いて再挑戦しようと思います。2021/11/04
ロマンチッカーnao
17
ドラマ『ミステリと言う勿れ』めっちゃ面白いですね。その中で出てくる『自省録』気になって読み始めました。哲学書だけど、面白いな。2022/03/21