講談社学術文庫
楔形文字入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061597440
  • NDC分類 829.71
  • Cコード C0122

内容説明

エンテメナの碑文、ハンムラピ法典、アマルナ文書。古代オリエントの社会と思想を現代に伝える楔形文字は、どんな構成を持ち、どうやって解読されたのか―。三千年にわたりメソポタミア全域で使用された古代文字の世界を、斯界の泰斗が平易にそして深く紹介。本書は、興味深い解読史と丁寧な言語学的概説で高い評価を得る、最良の楔形文字入門である。

目次

1 楔形文字の解読(解読前史―十八世紀まで;古代ペルシア(第一種)文字の解読
エラム(第二種)文字の解読
バビロニア(第三種)文字の解読)
2 楔形文字の世界(楔形文字のはじまり;楔形文字の構成原理;ニネヴェの図書館;古代人の文字学習)
3 楔形文書さまざま(楔形文字で書かれた諸言語;八ヵ国語による楔形文書の実例)

著者等紹介

杉勇[スギイサム]
1904~89。東京帝国大学文学部西洋史学科卒業。東京教育大学、明治大学、跡見女子大学で教授を歴任。専攻は古代オリエント史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5
「古代文字の世界」を読んだ後だったので飲み込みやすかった。楔形文字に限定しているのでかなり突っ込んでくれていたのが嬉しい。三部に分けられ、一部は解読史、二部は楔形文字解説、三部は楔形文字、音価、そして対訳の構成。先に読んだ「古代文字の世界」では触れられていなかった人や発展に触れていたのが嬉しい。著者自身思い入れがあるのかヒンクスをとても評価していた。個人的には楔形文字対訳があったのが一番の収穫で、楔形文字を横目に読めるのは嬉しかった。これが欲しかったんだよ! それだけに文法が省かれてしまったのは残念2012/08/14

サアベドラ

3
楔形文字入門と題にあるが、全体の半分は解読史に当てられており、肝心の楔形文字自体とそれが使われた言語(シュメール語、アッカド語、ヒッタイト語など)についてはほんの申し訳程度しか書かれていない。巻末にハンムラビ法典その他の原文と対訳が載ってるが、これだけ見させられても意味不明である。解読史・研究史に興味がある人以外はわざわざ読む必要はないと思う。2010/01/19

へくとぱすかる

2
漢字の本を読んだ直後なので、世界の違いにものすごく戸惑った。文字体系そのものの話よりは、冒頭部の解読にかかわる話がおもしろいし、スリリングでもある。正直、何の予備知識もなしに、自分の目の前に粘土板を置かれても、なにひとつわかることはないだろう。それを読めるようにした学者たちの粘り強い取り組みには、感服するしかない。50年近い昔の著作だが、手軽に読める本は今でも少ない。現在、どれほど楔形文字文献からの邦訳があるんだろう?2013/12/09

児玉

1
楔形文字研究の初学者に広く門戸を開く本 解読史の流れが手に取るように分かり、後半には楔形文字の抜粋があるため好奇心を出させやすいだろう2014/07/30

naoto

1
自分が読んだのは中公新書版で、多分、写真の講談社学術文庫版より古いんじゃないかな?楔型文字に関しては、多分初めて読んだ本。漢字やアルファベット、アラビア文字と同様、その地域では多くの言語に使用されていたらしい。最後を文献例を見てると、ウガリト語が今のアラビア語のもとになってそうに感じた。2012/12/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/228290
  • ご注意事項