内容説明
「自己は自己の否定において自己自身である」現代に生きる人間の真のあり方とはどのようなものか。教壇から学生たちに熱っぽく真剣に語りかけ、そして魅了する―噛んで含めるような名講義。何よりも哲学を愛したヘーゲル研究の第一人者がカント、ヘーゲル、キルケゴールらの思索の跡を辿り、自らの生きる道を懸命に模索した論考十編を収録する。
目次
序 哲学に課せられた一つの問題
1 ヘーゲルと現代
2 キルケゴール
3 宗教との対決
4 実存と道徳
5 倫理
6 ヘーゲルの道徳論
7 歴史
8 自然について
9 哲学の課題
10 否定の論理
著者等紹介
樫山欽四郎[カシヤマキンシロウ]
1907年、長野県生まれ。早稲田大学文学部卒業。西洋哲学専攻。哲学者。元早稲田大学教授。1977年没
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感想・レビュー
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有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
樫山欽四郎はヘーゲル『精神現象学』の翻訳者として有名。(ちなみに今は長谷川宏の翻訳が読みやすい)。実存主義やマルクス主義が最盛期を迎えたころということもあり、ヘーゲルのキルケゴール批判が取り上げられている。疎外の概念はフィヒテからヘーゲルを経て、マルクスに使用された。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51501953.html2018/11/25
カワサキゴロー
1
哲学の難問を大学の講義で聴いて、知的刺激まくる感じ。 特に実存主義をキルケゴールから説明されており、理解が深まった。 実存主義と倫理の関係は、長らくモヤモヤしていたが、かなり明瞭に理解ができた気がする。 何回でも読み直したい一冊。2023/03/31
Yuki
0
カリスマの言葉は、半世紀過ぎても色褪せぬ。2017/08/14