内容説明
日本人は、魚を酒菜とよび真菜とよぶほどに遙かな昔から魚に親しんできた魚食の民であり、現代に伝わる豊かな魚食文化を築きあげてきた。魚食の民は漁りの民であり、魚食の歴史はすなわち漁りの歴史でもある。しかしかつて多彩な魚貝を育んできた豊饒の海はいまや危機に瀕し、魚貝は数も種類も少なくなった。日本人と魚のかかわりを、日本人‐魚食‐漁業という構図の中で考える。
目次
第1章 日本人と魚食
第2章 魚と旬
第3章 魚を追って
第4章 漁る人びと
第5章 漁業盛衰
第6章 ある魚食論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なが
1
魚は身近な存在であるのにこういう本を読んだことはなかった。米は身近なようでいて実は日本人皆が十分食べられるようになったのはつい最近であるということや、漁業は消費者がいなければ勿論困るけれど、あまり消費が増えすぎると乱獲による生態系の破壊を招く…などなど、「言われてみればそうかも!でも考えたことなかった!!」というような内容が沢山。面白かったです。2016/01/16
メーテル/草津仁秋斗
0
日本における魚の消費と漁業の主な歴史を辿った本。日本は本当に漁業大国なんだなあ、と改めて考えさせられた。2015/06/11
影実
0
日本人と魚のかかわりについて考察した本。魚介の分類、漁業の在り方、各地域時代で好まれた魚などについて記している。しっかり調べられている本だが元が30年ほど前の作品なので古め。最近の漁業の状況を知る役には立たない。しかし80年代あたりまでの状況を概観するには便利。2009/12/22