内容説明
人間にとっての最大の暴力ないし災厄として、不安や恐怖の最後の対象である「死」。著者は、世界大戦による大量死の時代を背景に登場したハイデガー哲学と、それに続くバタイユ、ブランショ、レヴィナスらの「死」に真正面から向き合った思想を考察する。さらに「死の抑止」を旨とする現代医学をも視野に入れ、現代人が直面する未知の状況―「私の死」を死ぬことができぬ状況を的確に照射した画期的論考。
目次
1 「ある」、または「存在」の夜と霧
2 私の不可能性、または公共化する死
3 ハイデガーの褐色のシャツ
4 数と凡庸への否と諾
5 「不安」から「不気味なもの」へ
6 「不死」のワンダーランド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
耳クソ
14
不死のワンダーランドで別に良い気がするしでもダメな気もするという思索を哲学と呼ぶなら、面白いので追いかけていきます。追いかけるための地図が本書となります。2021/11/15
午後
2
近代以降の主体の死の不可能性について。脳死や臓器移植など、生命倫理の問題に応用した部分がとくに面白かった。文庫版ではいくつかの章が割愛されているらしいので、単行本の方も読みたい。割愛するな。2022/11/28
s_i
0
そのうち読み返す?2012/07/19
春男
0
そういやこれも読んでたな2011/11/10