内容説明
「近代」は閉塞した。フランス革命の輝やかしい理想にも拘らず、人間の支配=被支配、差別と排除の構造は温存された。理性は頽落し、人間の管理化は進み、地球環境の汚染が昴進する。どう克服できるのか。その哲学は?方法は?近代主義を踏み超える革命的理論装置としての構造主義=ポスト構造主義に着目し、批判的に検討し、真に豊饒な「トランスモダン」の思想への展望を切り拓く知的生産の書。
目次
プロローグ 思想の現在
1 構造主義
2 記号論
3 マルクス論
エピローグ 世界史の危機的転換期に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
10
西洋美学を大学院で研究している人と話した時に、記号論は今でも重要な考え方だと言うことだった。私が学生時代、浅田彰や山口昌男による記号論が流行っていたなあ、構造主義やポスト構造主義の本はだいぶ読んだし、その中でも今村仁司の本は面白かったなあと、再びこれを読んでみた。忘れていることは多かったけれど面白かった。あれも読もうこれも読もうと思ったものは手付かずでいるけれど、もうすぐ定年だし、あの頃読めなかったアルチュセールやエーコとか読んで見ようかなあ、まずは昔読んだ入門書を読み直して行こう。2022/05/14
くらひで
7
現代思想の柱である構造主義、記号論、マルクス主義について、著者が一旦咀嚼して、独自の解釈を加えてわかりやすく解説している。学生時代にタテヨコの関係も分からずに闇雲に読破したり、論文を書いていたりしていた記憶が蘇り、当時本書を読んでいたら、もう少し違った理解ができたかもしれない。本書が出版されてから約25年。その後の変遷も解説してもらいたいものだ。2016/01/20
ぼっせぃー
2
自省のまなざしが厳しく読んでて1歩ずつ確かで良い。残念ながら、今の自分では1章を理解するまでがやっと。アルセチュールの前にマルクスをもっと理解しなければならない。佐々木隆治をたよりに資本論からやり直そうと思う。2020/07/13
sk
1
明晰な論文集。2015/09/19
Yuki
0
すごく読みやすい。やはり塚原史先生との親和性を感じた。2016/03/19