講談社学術文庫<br> 洛神の賦

講談社学術文庫
洛神の賦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061588875
  • NDC分類 920.4
  • Cコード C0198

内容説明

『三国志』の英雄、曹操。その子曹植は武勇ばかりか豊かな詞藻に恵まれた名将。がその故にこそ兄(文帝)に疎まれ悲運を辿る。美しい詩賦に秘められた悲劇の武将の生涯を描く表題作を初め、唐朝中期、安史の乱の渦中に翻弄される詩人たち、王維、李白・杜甫。獄に繋がれ、或いは稚子を餓死させる、不幸の各々の形を描く。他に「白居易と元槇」、「聞一多評伝」等、中国文人の詩と人生を格調高く論ずる。

目次

洛神の賦
劉〓の風骨論
中国文芸思想における「自然」ということ
王維―安史の乱と詩人たち
白居易と元槇
『水滸伝』と『八犬伝』
李漁の戯曲
礼教吃人
聞一多評伝
「解説」にかえて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

零水亭

1
「洛神賦」の全文は収録されていなかったと思います。なかなか、文庫レベルでは普及してませんので、敢えて瑕疵を挙げるならその点でしょうか(岩波文庫で文選の訳註が手始めてはいますが…)。 余談ですが、「洛神賦」に出て来る女性の形容詞は杜甫「哀江頭」や陸游の前妻を思い出す七絶などに引用されていますネ

韓信

1
曹植・王維・白居易・元禛らの生涯と詩作を追う論考・講演録や水滸伝、李卓吾ら明末の王党左派から近現代文学までの反礼教的思想・文学の系譜をたどる論考等を収める。出世主義のように見える元禛の愛妻家としての一面を見直したり、苦難の多い詩人の生涯に自身を重ねたりと、非常に人間臭い著者の視点に親近感を覚える。しかし忠孝を全うするために自分の家族を犠牲にするような礼教主義の非人道性は南條範夫の残酷物の世界だ。あとがきで指摘する、中国文学に多い「世間が悪くて自分が正しい」という姿勢は現在の国民性にも受け継がれているのでは2013/12/28

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