内容説明
人の心の深淵に眼をひらき、そこで成就される個と全との神秘的な合一に、初めて確かな洞察を向け、それを全身的に把握する実践と儀礼の体系をつくり、上げた密教―。本書は、空海が体系化した教学を中心に、密教のもつ世界観・認識論・実践哲学・仏陀論などの基本的な構造を明らかにした。2千年に及ぶインド仏教の歴史全体の結実であり、また、仏教伝播の総決算ともいわれるその神秘思想に迫る。
目次
第1章 密教とは
第2章 密教の形而上学―阿字・六大の哲学
第3章 密教の認識論―マンダラの哲学
第4章 密教の仏陀観
第5章 密教の実践哲学―三密と戒
第6章 密教の周辺