講談社学術文庫<br> ニコライの見た幕末日本

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講談社学術文庫
ニコライの見た幕末日本

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  • サイズ 文庫判/ページ数 155p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061583931
  • NDC分類 210.58

出版社内容情報

【内容紹介】
ニコライ堂で知られるロシア正教の宣教師ニコライは、幕末・維新時代の激動の渦中に日本に渡り、函館を本拠地に布教活動を行った。本書は、そのニコライがつぶさに見た日本の事情を、祖国の雑誌に発表したものである。日本の歴史・宗教・風習を、鋭い分析と深い洞察を駆使して探求し、日本人の精神のありよう、特質を見事に浮き彫りにしている。「日本人とは何か」を考える上に、多くの示唆を与える刮目すべき書である。本邦初訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

29
幕末に来日した宣教師からみた日本の民族性、歴史は片寄っていると感じながらあの時代によくここまで修得したと感じ、興味深い内容でした。宗教に関しては、キリスト教以外への低評価は狭量かつ傲慢であり、当時の西洋の鼻息の荒さを感じます。天皇への評価とその後の弁明はおかしさを感じました。2024/04/16

N島

13
神秘のベールに包まれた幕末~明治を紐解く、正教宣教師ニコライが綴るレポート。正教徒の視点から見る伝統的な日本の宗教観には興味深いものがありますな。日本における正教の布教活動は時流によるところにもよりますが、残念ながら成功はしませんでしたが、彼の名を関する日本でも有数のカテドラルの存在が、彼のレポートを引継いだ活動家達がもたらした大いなる成果の一つとして評価されるべきものではないでしょうか?正教徒と言葉を交わす際に共通言語として必要不可欠な知識がここにはあります。2019/05/21

紙魚

4
タイトルはあまり適切でない気がする。内容は、正教会の司祭であるニコライから見た、日本の諸宗教、歴史についての概説といったところ。異教からの観点ではこう評価するのか、という面白みがある。江戸初期のキリスト教禁教についても、寧ろヨーロッパ人の植民地主義を批判するあたりに、この人の人柄が出ているのだろうか。幕末世相については維新の顛末、会津戦争について書かれているくらい。2009/04/11

ダイキ

3
ニコライ堂で有名なニコライの著作。「ニコライの見た幕末日本」とあるものの、内容は神・儒・仏教の概説に日本におけるキリシタン迫害に関するものが殆どで、“幕末日本”の様相は新鮮味のない記述が僅かばかりあるのみ。宣教師らしい傲慢と偏見が多分に含まれている内容で、キリスト教徒でもない一般の読者には今更読む必要も感じられなかったし、読むに堪えない。頼山陽の『日本外史』が明治四十三年にロシア語訳されていたことを訳注で知ったのは有益だった。2018/10/12

onisjim

3
日本語訳にしてわずか100ページ程度の論文で、幕末および明治最初期における日本の宗教事情を手際よく説明する手腕を見るに、ニコライがいかにすぐれた観察者・研究者であったかがわかる。ニコライとドストエフスキーをつなぐ訳者解説もなかなかおもしろい。話がドストエフスキー側に大きく振れるのはご愛嬌。2014/01/06

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