出版社内容情報
【内容紹介】
われわれ日本人は、どのような歴史をあゆんできたのか。本書は、著者が一代の情熱と長年にわたる学問・研究のすべてを傾け、若き世代に贈った日本歴史の通史である。上巻では、日本国家の成り立ちを神々の時代にまで遡って探り、大和・奈良時代にいたる古代日本の姿を明らかにする。更に天皇を中心とする貴族政治が平安朝において頂点に達し、比類なき王朝文化が花開くまでを人物中心に通観する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
161
中々教科書にはない神話から日本の歴史を見た貴重な一冊。子供向けと書かれていたが意外に難しい。2014/12/07
南北
48
皇国史観に基づく日本史通史。人物を中心に解説し、和歌を使って人物の心情を明らかにしているところがとてもよい。おじいちゃんが中学生ぐらいの孫の語って聞かせるような感じで進んでいて読みやすい。たとえば憲法十七条も日本の国体(国柄)を明らかにするものだとしていて、昨今の教科書が「役人の心得集」としているのがいかに馬鹿げた記述かがよくわかる。ただし蘇我氏や道鏡などを悪人として記述している点は安易ではないかと思う。また、この本を読んだ後、何を読むべきかを示す上でも参考文献がなかったのは残念だ。2021/05/20
チアモン
30
職場のボスのおすすめ本。あまりに押すので読んでみた。日本という国の成り立ちが神話から描かれている。神話の部分はとても面白く読めたが、日本史の授業が苦手だった私は、果たして下巻まで読めるだろうか。でも、古代の日本については思ったより楽しく読めた。2017/06/08
0717
16
戦前、戦中は皇国史観と呼ばれた平泉澄の、昭和40年代の著書「少年日本史」の文庫版「物語日本史」。天皇、人物中心に歴史が語られる。上巻は神話、建国から菅原道真辺りまで。学校では決して学ばない話満載。「皆さん!皆さんはお気の毒に、長くアメリカの占領下に在って、事実を事実として教えられることが許されていなかった。今や占領は終わった。重要な史実は、正しくこれを知らねばならぬ。」しかしまだ占領は終わっていなかったのです。2015/10/13
らい
14
一つの民族という意識のもとに国家をまとめあげ、文化の礎を皇室を中心に作ってきたと言われたら、なるほどなと思った。その動機が対外的な恐怖とかなのが明治維新とそっくりで面白い。平仮名、片仮名の作成も、やっぱり模倣と研究にある。しかも片仮名みたいに気楽な外国文化の摂取はうちぐらいという視点もすごくしっくりくる。特徴のある文化を創造するというより、円環に吸収していく島国の気質みたいなものの輪郭がまたひとつ濃くなった気がする。2020/12/22