出版社内容情報
【内容紹介】
『今昔物語集』巻3は維摩(ゆいま)・文殊(もんじゅ)・目連(もくれん)・舎利弗(しゃりほつ)・賓頭盧(びんずる)など仏弟子たちの霊験教化にかかわる説法を収め、巻末に沙羅双樹下の哀愁にみちた釈尊入滅関係話を置いて巻一から続く釈尊在世時の説話を終える。教化を受けるものは国王・后・王子・王女をはじめ、長者から下婢・異類に及び、それらのさまざまな人間的欲望に基づく苦悩の救済を通じて、釈尊と仏法の尊さを語ろうとする。中でも阿闍世(あじゃせ)王が父王を殺し教化される話は有名である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
in medio tutissimus ibis.
1
仏の弟子やその家族について、あるいは長者を仏道に帰依せしめる事。仏の涅槃に入る。お釈迦様でも縁が無いと済度できないんやな。釈種の流離譚はそこそこ長くて面白い。維摩経は方丈記の冒頭の元ネタ。メシの恨みで竜の巣を乗っ取って悪竜になった羅漢の弟子は三蔵法師の聞き書きが元ネタ。二巻でも思ったけど釈種皆殺しとかそんなことより可哀想なの未利夫人だよなぁ、詐欺の種な上にさらに金剛醜女とか。しかし燼杭太子といい、もてなしてもちょっと僧を蔑ろにした位で来世がひどいことになるインドクオリティ。聖仙もそんな偏屈ところあるしな。2016/05/10