出版社内容情報
【内容紹介】
今昔物語集は平安末期の成立。31巻千数十の説話を収め、量的にも、内容の多様さや文化的興趣および組織的編集の点においても、わが国説話集中群を抜く存在である。全説話は天竺・震旦・本朝に3分されるとともに、仏教・世俗に二分され、平安朝仏教の庶民的享受の全貌と上下階層の人間的な生きざまや日常生活の種々相が、興味深く描き出される。巻一は、釈尊の出生から初説法に至る8説話と、釈尊の偉大性を語る諸説話から成る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
in medio tutissimus ibis.
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久々に和羅多。こういう説話がいっぱい収録されてるのが今昔物語なんだよな。鎌倉仏教は戒律とかブン投げてるから困る。同じ仏教の説話でも物語の趣旨が上座部っぽかったり大乗だと思えたり密教らしさが見えたりして中々ごった煮感がある。苦行しても死んだら意味ないって悟るのに六年かけたお釈迦様は、「それだけ時間かけて悟ったのそれだけ?」的な扱いをした師匠達に御免なさいしないとね。釈「悟った。師匠にも教えてあげよ」天の声「もう死にましたよ」釈「知ってた(震え声)」の天丼が卑怯。第六天魔王謎の嫉妬で修業の邪魔してんな(困惑)2016/04/17
Rick
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今昔物語集1巻は、全編インドでの物語。シッタールダが成仏し、その後周りの人々を教え諭す様子が描かれる。印象に残ったのは、「・・・は功徳を積んだから、天上界・人間界に生まれ変わり、楽しみを得ることができるだろう。」というように、信者の行動が彼らの将来をある程度決定できる、ということ。これは生まれながらに救済されるか否か、が定まっているイスラームや予定説の発想とは全く異なる。それにしても、最後の盗賊たちの「手足切られて苦しいから、仏にすがれば助けてくれるだろう」てのは、ちょっと虫が良すぎるような・・2013/01/15