講談社学術文庫<br> とりかへばや物語 〈4〉 冬の巻

  • ポイントキャンペーン

講談社学術文庫
とりかへばや物語 〈4〉 冬の巻

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061582965
  • NDC分類 913.385

出版社内容情報

【内容紹介】
平安末期成立の『とりかへばや』は、女性的な気質の兄君と男めいた気性の妹君とが、それぞれ女装男装して、華やかな宮廷生活に悲劇喜劇の渦をまきおこす物語。第4冊冬の巻は、妹の演じていた右大将に落ち着き得た兄は、吉野山の宮の姫君を正妻として多くの女性にかしずかれる理想的生活を獲得し、兄の演じていた尚侍に落ち着くことのできた妹は、帝に愛されて東宮を生み、中宮として幸福な身の上となる結末を記した最終巻。(全4巻)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

19
帝の公妃となることは、平安女性の 最大の幸福であり夢であった(57頁)。 <鑑賞>の一節で、 「わずらわしさを求めるのは、 男の性の常なのか。(略) 過去の思い出をたぐって女性たちと 愛の遍歴をくりかえす挿話をつらねて 行く」(158頁)という。 複数の女性を思い出せるなんてのは、 プレイボーイに思えるけど。 モテない人からすればそういう印象。 また、「苦労して育った子、 人生の知恵を早く身につける」(251頁)。    2014/05/23

くり坊

8
【原文】つまみ読み。【語釈】とばして、【現代語訳】と【鑑賞】コーナーをとりあえず結末の4巻まで読了。著者の桑原博史先生の淡々としつつときどき編集上の迷いや自身の感想が溢れて出てきてしまったような鑑賞ノートが面白い。2015/01/18

いりあ

7
平安時代後期に成立した作者は不詳の物語です。関白左大臣の2人の子供が、男児は「姫君」として、女児は「若君」として育てられることとなったことから始まる物語です。本巻が最終巻となります。前巻で元の性別に戻った2人は、それぞれ社会的にも成功者になってハッピーエンドです。この2人以外の主要キャラは、最後まで滑稽で損な役回りを演じる人もいればちょっと可哀そうな立場になってしまった人など悲喜こもごもです。マリア様がみてるで福沢姉弟が、これを学園祭で演じることになってましたが映像化されなかったのが残念。見てみたかった。2020/05/11

hikarunoir

6
結末は世間体やタブーに屈してでも世界と折り合い「〜たい」兄妹の願望だろうが、理想と離れ、独り残された現実への目配せには諦念も感じる。2017/08/15

たねひ

6
長めのエピローグというかんじ。前巻までは女君の視点で話が進んできたのに、今回はそれがほとんど無かったのが淋しい。帝のことをどう思っているのかだけでも、もう少し知りたかった。物語の定石通り「后の位に上りました」ということが重要で、帝個人はあまり問題じゃないんだろうけど。だいたい皆収まるところに収まった中で、女東宮だけは何の救いもないのが可哀想。主人公が捨ててきた息子の話で最後を締めたのは、余韻があって良かった。2015/06/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/509779
  • ご注意事項