講談社学術文庫<br> とりかへばや物語 〈2〉 夏の巻

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講談社学術文庫
とりかへばや物語 〈2〉 夏の巻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 149p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061582941
  • NDC分類 913.385

出版社内容情報

【内容紹介】
平安末期成立の『とりかへばや』は、女性的な気質の兄君と男めいた気性の妹君とが、それぞれ女装男装して、華やかな宮廷生活に悲劇喜劇の渦をまきおこす物語である。物語名は、異常な兄妹のありようが、入れかわって正常になってほしいと願う父親のつぶやき――取りかえたい――による。第2冊夏の巻は、男装の姫君中納言が宰相中将にその肉体の秘密を知られ、あげくのはてに妊娠し、絶望して死を決意するまでの話である。(全4巻)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
久しぶりに中納言にお逢いする気持は、 長い間恋い続けてきたが、 逢えなかった人にやっとめぐり会った ような気分(73頁)。 それは思いが募りますわな。 片思いは妄想、 ストーカーを生みかねないが。 肉体関係を結ぶに至った 中納言と宰相中将が、人目を気にし、 男女の心理のあやをくりかえして行く 様子(83頁)。 ASKA容疑者の事例も人目を気にして いたとは思うが。   2014/05/23

いりあ

6
平安時代後期に成立した作者は不詳の物語です。関白左大臣の2人の子供が、男児は「姫君」として、女児は「若君」として育てられることとなったことから始まる物語です。最近だと「君の名は。 」の着想のヒントになったと話題になっていました。本巻では男装していることが宰相中将にバレた上に姫君中納言が妊娠してしまうという衝撃の展開が描かれます。最初は「男」としてふるまうことに重きが置かれていたが、本巻では「女」としてふるまっているような描写が多くなっています。どこまでも理性的な姫君中納言に対して、宰相中将の軽薄さが…。2020/05/10

CaLiLa

6
1巻は「女って……」と思ったが、この巻は「男って……」と思う。通い婚で一夫多妻なこの時代、仕方ないのかもしれないが、宰相中将の浮ついた感じが……。2012/05/21

hikarunoir

5
結末は世間体やタブーに屈してでも世界と折り合い「〜たい」兄妹の願望だろうが、理想と離れ、独り残された現実への目配せには諦念も感じる。2017/08/15

たねひ

5
「春の巻」ではほぼ完全に男のように振る舞っていた中納言だけど、宰相中将への接し方を見ると、一般的な女性の心理と変わらないように思える。主人公の心境の変化なのか、作者の筆の拙さなのかは、微妙なところ。ただ、考えようによっては、状況に応じて男性的な面と女性的な面が出てくるのが普通かもしれない。宰相中将は良くも悪くも「恋する男」ってかんじ。アホっぽくて嫌いではない。桑原先生の解説がこの人に肩入れしがちなのも面白い。2015/05/26

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