出版社内容情報
【内容紹介】
大和朝廷が史書として編纂したわが国最古の古典。上巻にはイザナキ・イザナミ二神の国生み、天照大神・スサノオノミコトの葛藤、天の岩屋戸、ヤマタノオロチ退治などのなじみ深い物語が多い。古代国家の統一と成立のかげで、素朴で明るい古代人の人間像が、おおらかに記述されている。神話・伝説であり、文学であり、歴史である古事記には、われわれ祖先のエネルギーが満ちあふれている。〈全三巻〉
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
37
イザナミ。イザナキ、スサノオノミコト、天の岩、スサノオロチなど聞いたことのあるものばかりで面白かったです。2023/12/11
ナハチガル
30
岩波文庫で読み始めたが挫折し、こちらに切り替えて、ひとまず上巻を読了。原文と現代語訳と語彙集と詳細な解説が各章ごとにあって、親切設計。とても読みやすい。因幡の白兎とか、海幸彦と山幸彦とか、知っている話がちらほらあって、桃太郎とか浦島太郎とか鶴女房とかの原型も随所に見えて、「あの話はこれのことだったのか!」という発見が多く、たいへんおもしろい。子供の頃にきちんと知っておきたかったが、これも時代の要請か。単純に読み物として、聖書やギリシャ神話に比肩するおもしろさもあると思う。A+。2024/03/02
かんちゃん
25
天の石屋戸、八俣の大蛇、因幡の白兎、天孫降臨、海幸彦と山幸彦など、なんとなく聞き知った神話を原典たる古事記にて読む。書き下し文を読むのは面倒だが、現代語訳だけを読んでいても楽しい。加えて、次田教授の解説がいい。古事記が編まれた当時の時代背景や大和朝廷興隆の過程を紐解くことで、7世紀の日本の姿を鮮やかに映し出してくれる。よし、次は中巻。2016/11/14
らい
9
河合さんのものを読んでから、どうしてももう一度読みたくなった。俯瞰したイメージがしっかり固まってるから、書き下し文でも全然いけた。前回には気づけなかった繰り返しの表現やモチーフがたしかに何度も繰り返されていて、そういうことを一つずつ感じながら進んでいくと、心的に一段階、神話の世界により入っていけたと思う。この神代から現代にまでの影響を考えると本当に面白いなあ。日本人ってなんなんだろう、文化ってなんなんだろう、世界標準ってなんなんだろう、政治ってなんなんだろう。今後、一つ一つもっと納得していきたい。2021/06/03
らい
9
一度昔違う文庫で挫折したけど、こっちは語注や解説が一章ずつ充実していて(講談社学術の古典は全部そう?)、背景や何の影響が反映されているのかも一つずつ押さえていけて、非常に楽しめた。神裔の羅列も、なぜこんなことをするんだろうと思っていたけど、考えてみれば、八百万の神々として、日常生活の森羅万象に神をみていたことに他ならないのか、と思うと腑に落ちた。心の動きと連動して、この物語が色んな影響を認めながらも生まれたというのは、やっぱり日本のことをそのまま映しているのかな、と思う。次巻へ。2021/05/17
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