出版社内容情報
【内容紹介】
「利によって行えば怨み多し」、また「富と貴とはこれ人の欲する所なり。されどその道を以てせざれば、これを得るもおらず」(ともに里仁篇)の2句は、著者の実業遂行上の信念である。このように経済活動の正当の道によるべきことを繰り返し主張してやまない著者は、「論語と算盤(そろばん)」説なる独特の道徳=経済一体論を展開し、「論語」を、実業あるいは日常生活に身を処する規範を説いた実学の書として、現代に生き生きと甦えらせるのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
84
明治の大実業家・渋沢栄一による論語講義第二弾。本書では、里仁第四、公冶長第五、雍也第六を収録。相変わらず面白い。論語の字義の解釈だけでなく、渋沢栄一本人の生き方や、彼の周辺の人にあてはめて解説してくれるので、何をどう解釈し、現実の問題にどう向き合うべきかが、より身近な実感を伴って理解しやすくなっている。身近といっても、大久保利通だったり、西郷隆盛だったり、歴史の教科書に載るような人たちなのだが。論語と幕末〜明治維新の歴史が同時に学べるので、願ったりかなったりでもある。2015/08/28