出版社内容情報
1960年代のベストセラー「アメリカ大都市の死と生」後、NYはいかに変化したか? 都市の本質に迫る、都市論の新たなバイブル。
ジェイン・ジェイコブズの大ベストセラー「アメリカ大都市の死と生」後のニューヨークを観察してきた著者による、都市の本質についての考察。なぜ都市は魂を失ってしまったのか? 都市論の新たなバイブルが誕生。
山崎亮氏(studio-L代表、京都造形芸術大学教授)推薦
日本各地に「魂を失ったように見える都市」が存在する。シャッターがならぶ商店街。空き地や駐車場だらけのまちなか。誰もいない駅前。「昔はよかったんだけどな」とつぶやく人々。まるで魂が抜けてしまったようだ。しかし逆もまた魂を失ったようだ、と本書は指摘する。中心市街地活性化とか公共空間の民営化などといって、高級なブランドショップを誘致したり、立派な再開発ビルを建てたりする都市がある。洗練され、高級になった都市から追い出される人たちがいることを考えると、きらびやかになった都市に魂が存在するかと問われれば否と答えざるをえない。
きっと都市の魂はコミュニティの意志に宿るのだろう。それは、見た目の美しさや一時の体験に宿るわけではない。コミュニティの意志に宿る都市の魂こそが、結果的に美しい空間やとびきりの体験を生み出すことになるのだ。順番を間違えてはならない。まずは都市の本質を見きわめること。『裸の都市』から発想すること。そしてコミュニティ間の対話を大切にすること。
私が本書から受け取ったメッセージは以上のようなものである。コミュニティデザインに取り組む人間を大いに勇気づけてくれる本だといえよう。
目次
都市はなぜ魂を失ったか
1 アンコモン・スペース(ブルックリンはどのようにして「クールな」場所になったか;ハーレムはなぜ「ゲットー」を脱したのか;イーストビレッジで「地元」に住む)
2 コモン・スペース(ユニオンスクエアと公共空間のパラドックス;2つのグローバル化の物語:レッドフックのププサとIKEA;ビルボードとガーデン:由来をめぐる闘い)
目的地文化とオーセンティシティの危機
著者等紹介
ズーキン,シャロン[ズーキン,シャロン][Zukin,Sharon]
ニューヨーク市立大学ブルックリン校および同大大学院センター教授。長年ニューヨークに住み、観察している研究者であり、都市のジェントリフィケーションについての理論の第一人者
内田奈芳美[ウチダナオミ]
ワシントン大学修士課程(都市計画)、早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員などを経て、2009年より金沢工業大学環境・建築学部建築デザイン学科講師
真野洋介[マノヨウスケ]
早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了。東京理科大学理工学部建築学科助手を経て、2003年より東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikada
メルセ・ひすい